某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

有頂天高原旅行記 2

体を洗い終えたふたりは、横に並んで岩風呂に浸かっていた。

ふたりとも大事なところはタオルでガードしている。

完「本当は湯船にタオルは入れてはいけないんですけどね…」

鈴「そ、そうなんですよね…」

完「川の音が聞こえますね」

鈴「あ!星が見えます!」

完「ほんとだ…僕の視力で星が見えるなんて…」

鈴「眼鏡かけてまた空を見てみましょうか」

完「それも良さそうですね」

言葉少なくなってくる二人。

完「………あの」

鈴「はい?」

完「いえ…お風呂からあがったら、きいてほしい話があります」

鈴「今じゃダメなんですか?」

完「相手の表情が見えませんから」

鈴「なるほど…」

響く虫の音。

完「このお湯熱めですね…露天だからでしょうか」

鈴「そうですね、ちょっとのぼせてきました」

完「大丈夫ですか?先に上がってても大丈夫ですよ」

鈴「そうさせていただきます…」

鈴は岩風呂から上がると、脱衣所で体を拭いて浴衣を着て眼鏡をかけた。

部屋で涼んでいると、完も上がってきた。

完「……………………」

鈴「どうしました?」

完「話が切り出せなくて…」

どうやら重大な話らしい。

鈴「あの…私この旅行で何か失礼なこと…」

完「いえ、そういうわけではなく…」

眼鏡をかけた完は深呼吸した。

完「草餅さんは僕と友達になりたかったんですよね?」

鈴「は、はい」

完「でも僕は…もう友達ではいられそうにありません」

鈴「えっ」

うつむいた完の顔は、前髪が邪魔で見えない。

完「誰か他の男性に草餅さんを取られるのかと思うと我慢ができないんです」

鈴「うさぎさん…」

完「だからこれからは…」

完は鈴に向き直った。

完「結婚を前提におつきあいさせていただいてよろしいでしょうか」

鈴「!!…………」

鈴は面食らった。

もちろん、そのつもりでいたのだ。

だが、時が来たら自分から言い出そうと思っていた。

鈴「は…はい…」

完「え、本当にいいんですか?」

鈴「はい、是非…」

完「友達になりたいって…」

鈴「お友達からはじめましょう、という意味で…私も同じように思ってましたから…」

完「…………………」

相思相愛。

その言葉が完の脳裏をよぎった。

完「じゃあ……」

鈴「はい?」

完「キスしていいですか」

鈴「…はい…」

すでに敷かれた布団の上。

鈴はうっとりと瞳を閉じた。

完は鈴の唇にそっと口づけをした。

鈴(もうだめだ辛抱たまらん!)

鈴は完に抱きついた!

完「わっ!?」

二人して布団に寝転がってしまう。

鈴「うさぎさんうさぎさん!!」

鈴は完の浴衣の合わせに手を差し入れた。

完「えっ、ちょっと、待っ…」

完の浴衣はあっという間に着崩れてしまった。

鈴「うーさーぎーさーーーーん!!」

鈴は完のわきの下をくすぐった。

完の弱点は弟である了から学習済みだったのである。

完「ちょ、ちょっとそこは…あ、ん…っ」

完は鈴の肩を押し返そうとするが、力が入らない。

完「草餅さん、草餅さん…鈴、さん…」

鈴は、はっと顔をあげた。

いまにも羞恥で泣き出しそうな完の顔を見て、

鈴(しまったー!)

あわてて完から離れた。

完「そんなに離れなくていいですから…」

鈴「ごめんなさいごめんなさい!!つい出来心で…」

完「情技の人ってみんなこうなんですか?」

鈴「う…ノーコメントでお願いします…」

鈴は布団にくるまって団子になってしまった。

完「草餅さん」

鈴「はいぃ」

完「その中に入れてもらってもいいですか」

鈴「…はい」

布団は2枚敷かれていたが、一枚の布団の中に

ふたりで無理矢理おさまる。

鈴(うさぎさん乳首見えてる乳首!)

完「もう一度キスしてもいいですか」

鈴「はい…」

体勢が変わる。

今度は完が上になった。

鈴の口内で完の舌がぎこちなく動いていた。

そのぎこちなさが愛おしかった。

完「ん………ふ…」

鈴のほうから舌をからめると、

完はくぐもった声を漏らした。

鈴は完の顔を手で押さえて、思う存分キスをした。

完「ふ……んん………」

完は口内が敏感だった。

味覚にうるさいのはそのためでもある。

鈴(キスだけで声が出ちゃうんだ…)

離れた時には、完の瞳は快感に潤んでいた。

完「きょ…今日はここまでにしましょう…」

鈴「え?」

完「休みはまだありますから…」

鈴「そんなこと言わずに…」

また鈴が完のわきの下をくすぐる。

完「ダメ…草餅さん…あっ…は……」

鈴の手が完の下半身にのびた。

完「!!!」

鈴「こんなに硬くして…うさぎさん…」

完「だ、ダメですダメです…初日でこんなの…」

鈴「い…いつする予定だったんですか?」

完「最後のホテルで…」

鈴「待てません」

鈴は布団にもぐりこみ、硬くなった完の半身を口にくわえた。

完「あ、あ、あ………」

飲み込まれていく。そんな錯覚がした。

完「や…やめてください…そんなことしたら…」

鈴は聞く耳を持たなかった。

舌で舐めあげ、先端を口に含むと舌を動かす。

完「離して…くださ…い…おねがい……」

鈴がやっと離れると、今度は完も布団にもぐりこんできた。

完「お返しです」

鈴「きゃあ!」

すでに濡れた秘部に手をふれられそうになった。

完「脚を開いてください…」

鈴「うう…」

ふとんはどこへやら。

蛍光灯の下。丸見えである。

完「これでよく見えます」

鈴「やああ…」

完は今までに吸収した知識を総動員して

鈴の秘部を舌で愛撫した。

鈴「ひゃん!あふ、ふああぁ!」

鈴(クリトリスばっかり責めないでぇ…!!)

完「………おいしいです」

鈴の愛液を舐め取った完が言う。

鈴は羞恥に焦がれた。

鈴「は、はずかしい…」

完「僕のことだって散々な目にあわせたじゃないですか」

鈴「散々だったんですか!?」

完「いえ…その…気持ちよかったです」

鈴「あの…その…」

鈴は完の右手をとって、

人差し指と中指を舐め始めた。

完「ん…」

手にも快感はある。

鈴「入れて…ください…」

鈴は完の右手を自分の脚の間へと導いた。

完「……痛かったら言ってくださいね?」

鈴「はい…」

完は人差し指と中指をそろえて鈴の内部へ侵入した。

鈴「あ、ん……」

完は慎重に鈴の内側をまさぐる。

そのたびに鈴の口から嗚咽にも似た声が漏れた。

完の指は根本まで鈴の内側に入ってしまっていた。

完はいたずら心が芽生えた。

指を入れたまま、鈴のクリトリスに舌を這わせたのだ。

鈴「あああん!」

鈴の体がびくんと跳ねた。

それでも完は行為をやめなかった。

鈴「ひっ、うさぎさんっ、あうっ、らめぇ…」

完「おさむと呼んでもらませんか」

鈴「あう、お、おさむさん!」

完は気が済んだのか、鈴の中にいれていた指を引き抜いた。

そして、その指についた液体をきれいに舐め取る。

完「おいしいです」

鈴「二回目です…」

完「弟からこれを渡されまして」

コンドームである。

完「本当は今日使うつもりではなかったのですが…」

鈴「使いましょう」

鈴が封を切ると

鈴「ちょっと股間失礼しますね」

と言って完の自身にすっぽりかぶせた。

完「すごいですね…僕なんて付け方知りませんでした…」

鈴「一応その、経験済みなので…」

完「情技っていろんなことするんですね…」

鈴「仕事じゃないです!」

鈴は完を押し倒した。

鈴「ここは私に任せてください…」

完「はい…」

童貞の完は素直に従った。

鈴「ん……」

完の分身が鈴の中に飲み込まれてゆく。

完「………っ、…………!」

完はこみあげる快感に耐えていた。

鈴はゆっくりと動き始めた。

腰を前後にすりつけるように体の内側で完を愛撫する。

鈴「あ…あ…うさぎさん……」

完「完です…」

鈴「完さん……好き…です…」

完「僕も…好きです、鈴さん…」

お互いの境界が溶けてなくなってしまうほどに。

ふたりのつながりは情愛と快感に満ちていた。

完「これでよかったんでしょうか…」

事後。

すっかり熱もさめた頃、完は独り言のようにつぶやいた。

鈴「結果オーライということで」

完「なんだか…すごく眠くなってきました…」

鈴「私も…とても満たされた気分です…」

ふたりはいつしか眠りについた。

翌日。

純和風の朝食を食べた二人は、次の目的地へ向かっていた。

有頂天ハイランドパーク。

有頂天高原に位置する遊園地である。

鈴「絶叫マシンなんて乗るの久しぶりですよ~」

完「僕もです」

旅はまだまだ続きそうだった。