某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

ドイツにて 2

(ドイツ フリューゲルホテルへの道)

無事に仕事を終えた柏崎は、

雪とともに帰路についていた。

雪「あっ、そこのコンビニに寄っていいですか?」

柏崎「いいですよ」

雪「すぐ終わりますので外で待っていてください」

柏崎「え?入っちゃダメですか?」

雪「そ、その…生理用品を…」

柏崎「いってらっしゃいませ!」

その実、雪が買ったのは生理用品とコンドームだった。

生理用品はカモフラージュだったのだ。

柏崎(そうか生理か…じゃあできないな…)

柏崎も柏崎で、頭はソレでいっぱいだったのである。

雪「お待たせしました」

柏崎「大丈夫ですか?体調とか」

雪「いえ、念のために買っただけですからまだ来てません」

柏崎「そ、そうですか」

柏崎は希望を持った!

(ドイツ フリューゲルホテル)

連泊ということもあって、気軽にエレベーターに乗る。

夕食はもう済んでいた。

柏崎「ああ…ビールが飲みたい……」

雪「ダメですよ!お酒はダメですよ!」

雪も悪意があって言っているわけではないのだ。

そのことが声の色から伝わってくる。

柏崎「これからずっと紺野さんがそうやって言ってくれたら

   一生禁酒できそうな気がします」

雪「一生…」

エレベーターが目的の階についた。

柏崎「ドイツにいる間の特権ですけどね」

雪「一生…」

柏崎「紺野さん?」

雪「いっいえ、なんでもないです」

柏崎に、一生の禁酒を誓わせる。

そのためには、一生一緒にいなければならない。

つまり、結婚しなければならないのだ。

雪はそれを望んでいた。

ホテルの部屋。ダブルのベッドにふたりで腰掛けて

会話を交わす二人。

雪「柏崎先生」

柏崎「ん?」

雪「もし私が柏崎先生に今後もつきまとって、禁酒させようとしたらどうしますか?」

柏崎「え…それは…禁酒は所長からも言われてますし…」

雪「私の独断でそうした場合はどうなりますか?」

柏崎「紺野さんはオレに一生つきまといたいですか?」

雪「………………………」

雪は真っ赤になってしまった!

柏崎「な…どうしたんですか紺野さん」

雪「ちょっと先にシャワー浴びてきます!」

雪は浴室に逃げ込んでしまった。

柏崎(紺野さん…)

雪がシャワーから上がるまで、柏崎はベッドに横たわっていた。

雪「お待たせしました、どうぞ…」

柏崎「さっきのお話ですが」

柏崎は切り出した。

柏崎「オレは紺野さんに一生禁酒を言い渡されてもかまいません。

   そのかわり、ひとつ条件があります」

雪「なんでしょう」

柏崎「オレと結婚してください」

雪「!!……………」

あまりにも唐突なプロポーズ。

雪「わ、わかりました」

柏崎「え」

雪「私、柏崎先生と結婚します。身も心も柏崎先生に捧げます」

柏崎「そ、そんな大げさな」

雪「だからお酒はダメですよ!」

オチが待っているのだった。

柏崎「紺野さんはオレに禁酒させたいのか結婚したいのかどっちなんですか」

雪「え…それは…けっこん…」

柏崎「え?はい?よくきこえませんでした」

雪「柏崎先生と結婚したいです!禁酒は二の次でいいです!

  でもドイツにいる間はお酒はダメなんです!」

雪は肩で息をしていた。

柏崎「…なんだか変なプロポーズになっちゃいましたね」

雪「そうですか?」

柏崎「帰国したら…やり直させてください」

柏崎も浴室に入った。

雪は枕の下にコンドームを忍ばせた。

雪(柏崎先生と…エッチするのかな今日…)

雪も期待していたのである。

雪の携帯電話が鳴る。

雪「紺野です」

龍崎「やあっほー☆今日も柏崎先生と寝てるー?」

雪「柏崎先生はお風呂に入ってます」

龍崎「ダメじゃないの一緒にお風呂にはいらなきゃ」

雪「それは昨日…いえあのはい」

龍崎「それで?昨日は一緒に寝たの?」

雪「はい」

龍崎「よしよし。今日も一緒に寝るように!明日早いからまたねー!」

一方的に国際電話が切れる。

それと同時に柏崎が浴室から出てきた。

柏崎「電話ですか?」

雪「機関長からでした…」

柏崎「あの人何考えてるかわからないですよね…」

柏崎がごく自然な動作で冷蔵庫に手をのばす。

雪「あっ!お酒はダメですよ!」

柏崎「炭酸水ですよ」

柏崎の言ったとおり、ボトルは透き通っていた。

柏崎「飲みます?」

雪「あ…はい」

ふたりぶんのグラスに注がれる炭酸水。

柏崎は一気に飲み干した。

喉が鳴る。

雪はその様子を見ていた。

雪(男らしい人…)

こんなステレオタイプな男らしさでもときめいてしまうのだった。

雪はゆっくりと炭酸水に口をつけた。

その口に柏崎が素早くキスをした。

雪「んっ…」

口内ははじけ、唇は甘い。

未体験の感覚に雪は戸惑った。

そのうち柏崎の舌が雪の唇を割って入り、

雪の口内の炭酸水は柏崎に奪われてしまう。

柏崎「おいしいです」

雪「びっくりしたじゃないですかー」

雪が不満を口にする。

柏崎「風呂上がりで喉がカラカラなんです」

雪「だからってあんな飲み方しなくたって……」

柏崎「ああしたほうがおいしいんです」

雪「……………」

雪は柏崎の目を見ながら炭酸水を口に含んだ。

そして目を閉じる。

柏崎は雪に口づけ、炭酸水をもらいうける。

柏崎は雪をベッドにそっと押し倒した。

柏崎「今日はキスだけじゃ済みませんよ」

とはいえ何の用意もしていないので

途中までしかできないのはわかっている。

雪「今日は…最後まで…」

雪は枕の下のコンドームを取り出し、柏崎に渡した。

柏崎「こ…こ…これは」

雪「さっきのコンビニで…」

柏崎(紺野さんナイス!!)

柏崎「すみません紺野さん…買うの恥ずかしくなかったですか?」

雪「ちょっと…いえ、かなり…」

柏崎「全力で奉仕させていただきますので」

雪「えっ、何をですか?」

柏崎は雪の耳元に顔を埋めると、雪の耳をくわえた。

雪「ひゃん!」

そのまま柏崎の舌が雪の耳の中に侵入する。

雪「きゃあ!あう!ひ…」

柏崎は面白がっていた。

耳全体を舐めしゃぶりながら、

雪の豊かな乳房に手をのばす。

雪「あ…あっ、あんん…!」

ゆっくりとなでまわされ、雪は快感の波にさらされた。

簡素な作りのホテルのパジャマはいとも簡単にほどけてしまう。

そこには素肌のままの雪がいた。

柏崎は花の蜜に誘われる昆虫のように、雪の乳首にすいつく。

雪「あ…あ…柏崎先生…」

雪は柏崎の頭を抱えた。

柏崎の手はといえば、もう片方の乳首をつまんでいた。

雪「柏崎先生…私…あっ…あふ…」

柏崎「なんれふか?」

雪「幸せです…」

ただの殺し文句だった。

柏崎は興奮し、雪の股間に手を這わせた。

さすがに下着はつけているようだ。

柏崎「脱いでもらってもいいですか?」

雪「はい…」

雪はもぞもぞと動き、下着を枕元に置いた。

美しいレースの装飾がついた水色の下着。

柏崎(勝負下着とか…?オレいつも通りだ…)

柏崎は雪の秘部を探り当てると、指で下からなぞりあげた。

それだけで密がしたたる。

柏崎を受け入れる準備は整っているようだった。

雪「あの……」

柏崎「はい?」

雪「私…初めてなんです…」

柏崎「はい?」

雪「で、ですから…男の人とこうするの…初めてで…」

柏崎「冗談ですよね?」

雪「信じてもらえませんか?」

雪は困り顔だった。

雪「あの…やさしくしてください…」

柏崎「わかりました」

その後の柏崎は死ぬほどやさしかった。

まるで患者に接するかのように。

少しずつ雪の緊張を解いていった。

もちろん強烈な快感とともに。

雪「ふあああ、も、もうダメです…」

雪は志半ばにして絶頂を迎えようとしていた。

柏崎「入れてもいいですか?」

息の荒い雪の隣で、柏崎はコンドームを装着していた。

雪「え……」

雪(こんなに大きいの…)

柏崎のソレは見事なまでに反り返っていた。

雪「そ、そんな大きいの入りません…」

柏崎「確かに最初は痛いかもしれませんが、ゆっくりやれば大丈夫です」

雪「やさしくしてください…」

柏崎「やさしくします」

柏崎はやさしかった。

進んでいるかいないかの速度で柏崎は雪に侵入していった。

雪「う…う…痛…う…」

それでも痛みを伴う結合。

柏崎は雪の胸をまた愛撫し始めた。

雪の緊張が解ける。

その隙に柏崎は腰を進めていった。

柏崎「…全部入りましたよ」

雪「ああ…!」

雪は感動していた。

愛する人を受け入れる喜びに満ちていた。

柏崎「もう少しこのままでいますか?」

雪「う…動いてください…」

柏崎「え、いいんですか?」

雪「はい…」

柏崎は雪と深くつながったまま、腰をこすりあわせた。

雪「ふああっ…ん…ああ…はあっ…」

やがて律動へと、柏崎の動きが変わる。

雪は突かれるたびに可憐な喘ぎ声を漏らした。

雪「あっ、あっ、あ…あ!」

柏崎「紺野さん…」

柏崎も限界に近づいていた。

右手でクリトリスを探り当て、愛撫しながら動く。

雪「だめ…だめえ!…あああう…!」

柏崎「イっていいですか?」

雪「はいぃ…」

柏崎は最後に激しく動いた。

獣のように激しく貪る。

雪「あうっ!ひゃ、あああ…!」

柏崎「っ……!!」

柏崎は精を放つと、そっと自身を雪から抜いた。

雪「柏崎、先生…」

柏崎「はい?」

柏崎が後始末をしていると、

横たわったままの雪が彼を呼んだ。

雪「日本に帰ったら、結婚しましょうね…」

それは純粋な願いだった。

柏崎「…はい」

柏崎はそれに口づけでこたえた。

出張は一週間。

一週間限りの愛の巣で、ふたりは思う存分

愛し合うことになる。