某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

二宮の施術

(某県郊外 最終医科学研究所内 第3手術室)

二宮「これよりロ…宮越千尋さんの全身脂肪吸引術を行います」
ロッソ「よろしくお願いします」
二宮「吸引した宮越さんの脂肪は桜埼花音さんに提供されることになります。
   異論はありませんね?」
ロッソ「花音た…桜埼さんは二宮先生のなんなんですか…?」
二宮「恋人です。結婚を前提にお付き合いさせていただいています」
ロッソ「け…!!」
二宮「異論ありませんね?」
ロッソ「異論はないですけど…結婚て…急すぎじゃ…」
二宮「善は急げです。太股麻酔しますね」

二宮はロッソの両方の太股に局部麻酔を施した。

ロッソ「痩せられる~!!マジでありがとうございます!!」
二宮「いいですよ、やっぱり礼英のおかげでタダになりましたしね」
ロッソ「リア充フラグに寛容な礼英…!!」
二宮「じゃ、そういうことであとは助手に全身任せます
   ただし胸部は私も同伴で デリケートな部分なので」
ロッソ「デリケートな部分こそ他の人にお願いしたい…」
二宮「ダメです。私が施術する条件です」
ロッソ「うぐぅ…」

かくして ろっそ は げきやせ した !!

二宮「顔からは取ってません。顔には脂肪がつかない体質なんですね」
ロッソ「体が!!軽い!!」

ロッソはその場でジャンプした。

二宮「激しい運動は1週間は控えてください」
ロッソ「すいませんでした」
二宮「この新鮮な脂肪を花音ちゃんに注入します」
花音「宮越さん!ありがとうございます!!」
ロッソ「わあ!花音たんいたの!?」
花音「さっきかず…二宮先生に呼び出されて、有休取って来ました!」
ロッソ「かず…?」
二宮「二宮和春というのが私のフルネームです」
花音「宮越さん、随分痩せましたね!」
ロッソ「花音たんありがとう~~!!タダで劇やせだよ~~!!」

ロッソの体重は標準体重まで戻っていた。

花音「これでか…二宮先生好みのわがままボディになれる…!!」
二宮「ロ…宮越さん、お疲れ様でした」
ロッソ「花音たん、くれぐれも太らされすぎには気を付けて…!!」
花音「私、二宮先生の好みなら太っててもいいから!」
二宮「そんなに劇デブにはしません。コスプレに差し支えますから」
ロッソ「コスプレ…だと…見たい!花音たんのコスプレ見たい!!」
二宮「その辺のお話はあとで…では桜埼さん、こちらのベッドへ」

かのん は ひょうじゅんたいじゅう に なった !!

二宮「各部位の脂肪はそのまま移植してあります
   胸は胸、太股は太股、お尻はお尻といった具合にです」
花音「和春…ここ、私達以外誰もいないよ…?」
二宮「花音ちゃん…まさかえっちなこと考えてないよね?」
花音「いや、ちがっ…言葉遣い!」
二宮「ああ、つい仕事中のクセで…ごめんね☆」
花音「ううん、いいの。和春、手術医も似合ってるよ」
二宮「花音ちゃんはポコ動以外で見るのは初かあ」

こうして、ロッソから花音への脂肪移植は無事に終了した。
翌日、情技の面々が二人の体形の変化に大いに驚くことになる。

二宮和春の春

「私に全身脂肪注入と顔面整形とセックスしてください!!」

医療機関礼英 最終医科学研究所 資料室)

二宮和春(かずはる)は憔悴していた。

頬はやせこけ、肩を落として歩く姿は見るに堪えない物があった。

卯月「どうしたの二宮先生、なにかあったの?」

二宮「派手に失恋しました…」

卯月「あちゃー、精神科行く?最終の」

二宮「いいです…このくらい…立ち直れます…」

完「そうは見えないけどね」

二人の間に完が割って入ったため、卯月は「あとはまかせた」とでも

言うように完に二宮を任せて去って行った。

完「失恋ね…ロッソさん?」

二宮「お前ホワイトデーなんだから第三食堂にいたんだろ?」

完「ホワイトデーなんだから休んでたよ草餅さんと一緒に」

二宮「なあ…矢野に彼女ができたの知ってるか?」

完「え、誰?看護師?医師?それとも患者さん…?」

二宮「絶世の美魔女、藤井礼子だよ。あれで53歳だとよ」

完「ええ!?28歳くらいかと思ってた!!」

二宮「しー……大声出すなよ患者たちがびっくりするだろ?」

完「へえ~矢野にそんな人ができたんだ…前から知り合いだったの?」

二宮「頼むから今はオレの心配をしてくれ…」

二宮は完に抱きついた。

完「二宮は背が高いから僕の胸じゃなくて肩くらいしか貸せないけど、

ここなら誰も見てないから泣きたかったら泣きなよ…」

二宮「ううっ…お前も結婚して優しくなったんだなあ…

   入所した頃は氷のように冷たかったのに…」

二宮は完を抱きしめて声を殺して涙を流した。

二宮「なあ…マウスとラットどっちがいいと思う…?」

完「あの二人だけはやめておいたほうがいいと思うよ…?

  性格も悪そうだし、何より二宮の好みの体形じゃないでしょ」

二宮「こうなりゃお前でもいい…誰かと一緒に寝たい…」

完「そんなことしたら浮気を疑われちゃうよ…あ、でも

  草餅さんそういうネタ喜ぶかも…

  ちょっと待って、草餅さんに電話してみる」

完はPHSを取り出すと、鈴に電話をかけた。

完「もしもし草餅さん?今傷心の二宮が僕を抱き枕にして

  寝たいって言ってるんですが」

鈴「ええ!?えっとそれは…二宮先生はうさぎさんに

  恋をしているんですか!?」

完「違います。失恋したショックで僕でもいいから添い寝して

  欲しいと言っているだけです」

二宮が完からPHSを奪い取る。

とはいえ完も拒絶はしなかったので他人から見たら

普通に渡したように見えただろう。

二宮「柏木さん…中畑をオレに貸してください…」

鈴「私から奪い取らなければいいですよ。でも…その…

  (超小声で)お尻の穴におちんちんは入れないでくださいね…

  私にはついていない物なので、それで完さんが

  二宮先生のテクにとりこになったら始末に負えないので…」

二宮「安心してください…抱いて寝るだけです…

   ちょうど今日当直なんで、一緒に寝ます…」

完「狭いよあのベッド、シングルだよ?」

二宮「オレとお前なら細いからなんとかなるだろ…ってことで

   じゃあ今夜そちらの旦那さんお借りしますね…」

鈴「はい、やさしくしてあげてくださいね」

二宮「やさしくします…」

通話が切れた。

柏崎「に~の~み~や~~~~~~!!」

二宮「うわあっ!?」

柏崎「オレも散々中畑のこと抱きしめたけど、添い寝とは

   聞き捨てならねえなああん!?」

完「柏崎…僕のこと抱き枕にしたいほど傷心してたの?」

柏崎「あの頃はな…お前の体形がうらやましくて」

二宮「チビのほうがいいって、何があったん?」

柏崎「オレの元カノがチビでチビな男好きでさ…

オレみたいなでかマッチョは苦手だったみたいで」

二宮「あ~……それで中畑ね~」

完「暑苦しいもんね柏崎」

柏崎「うるせえ!今は紺野…ちがった、雪さんがいるからいいんだ!」

二宮「あ~慣れねえ~~紺野さんのこと柏崎さんって呼ぶのほんと

   慣れねえ、こ…柏崎さんってなっちゃう」

完「わかる…僕はひと呼吸おいてから呼ぶようにしてるよ」

矢野「みんなそろって何?密談?」

二宮「矢野おおおお!!!オレに隠れてあんなマブいスケ…!!」

やの が あらわれた !

完「傷心の二宮が今日の当直で僕を抱き枕にしたいって」

二宮「わー!わーーーー!!!!」

矢野「男抱きしめるほど傷心してんのか…まあ無理もないな…

   熱烈ゾッコンLOVEだったもんなロッソさんに」

二宮「今その名前聞きたくない…」

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(夜 医療機関礼英 最終医科学研究所 当直室)

二宮はシングルベッドに腰かけた。

二宮「壁側譲ってやるよ、オレの運動神経なら受け身取れるから

   落ちても大丈夫」

完「運動音痴で悪かったね」

完は逆上がりができない。

球技も壊滅的な腕前だった。

だから高校の体育のバスケットボールでは司令塔に甘んじていたのだ。

だが、運動能力は標準なみにあった。

徒競走で1位を獲ったこともあった。

ただ、受け身となると自信がなかった。

幸い、鈴とシングルベッドで寝ていて壁側を鈴に譲った際は

一度も落ちなかったのだが。

二宮「へへへ~、中畑あったかいな~~キスしていい?」

完「ダメ。手の甲に軽くなら許すけど」

二人でベッドに入れば、そこは温暖な楽園と化す。

二宮「人肌のぬくもりっていいよな~~

   独身は仕事忙しくて風俗行ってる暇あったら寝てたかったから

   もう何年くらい人と抱き合ってないんだろ…」

二宮は完の手をとり、手の甲に触れるだけの口づけを落とした。

完「ぎゅーーーーーーーーーー!!!!!」

おさむ は にのみや を おもいっきり だきしめた !

二宮「ああ…痺れる…もっとやって………」

完「ぎゅーーーーーーーーーーーー!!!!!

  ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

  ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

  はあ、はあ…もういい?」

二宮「おつかれ。お返しにぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

完「あ…は……っん………」

二宮「変な声出すなよ、興奮するだろ?アナル奪うぞ?」

完「アナルって何?」

二宮「ケツの穴のことだよ!!ほんっとモノしらねぇなお前!!」

完「だって肛門としか習わなかったし…あ、そういえば

  草餅さんが貸してくれた本に書いてあったの忘れてた」

二宮は完のパジャマ越しに両方の乳首を探り当てた。

そっと指先で摩擦する。

完「あっははははやめてくすぐったい!!」

二宮「くすぐったい?キモチイイの間違いだろ?」

完「ほんとくすぐったいやめてやめて!!」

今度は二宮は完の脇の下に手を差し入れた。

二宮「こちょこちょこちょこちょwww」

完「あっ!やめっ、ちょ…はあっ!」

二宮「こっちが感じるのかよ…お前ヘンな体してんなあ

   何かの病気なんじゃないのか?」

完「うーん…礼英の人間ドック行っても異常なしだったんだよね

  草餅さんに心配されて行ったんだけどさ」

二宮「…にしても、中畑なかなかソソる声出すじゃん

   草餅さん大興奮じゃね?」

おさむ は まっかに なって しまった !

二宮「たまんね~かわい~~マジ癒されるわ~~」

完のPHSが鳴る。

完「はい」

鈴「あの…お楽しみ中のところ申し訳ないんですが、

  二宮先生に折り入って相談したいことがあるという

  看護師がいるんです…」

完「二宮に?かわりますね」

二宮「はい、もしも…」

花音「私に脂肪注入と顔面整形とセックスしてください!!」

二宮「え!?すいませんもう一回言ってください!!」

花音「だ、だから…私に全身脂肪注入と顔面整形と…

   せ、セックス…してください…」

二宮はあまりのことに呆然とした。

花音「あの、きいてます…?」

二宮「手術はいいですが、その、セックスっていうのは…

   失礼ですがお名前は…?」

花音「桜埼花音です」

二宮「面識ないですよね…?????」

花音「私が一方的に見てました…ロッソさんとのことも…全部…

   セックスしてくれるだけでいいんです!でも私ブスだし

   体もすごくやせっぽちで全然魅力ないし…」

鈴「あっでも笑顔がとっても素敵なんですよ!!」

花音「か…中畑さん…」

二宮「なら顔はいじらなくてもいいじゃないですか

   ブスだってなんだってセックスはできます

   脂肪はついていたほうがオレの好みですが」

花音「二宮先生の隣にいて、恥ずかしくない顔になりたいんです!!」

二宮「ずっと笑顔でいれば恥ずかしいことなんてありません!!

   ちょっとオレ今日当直なんで、明日かあさってにでも

   第3食堂行きますから!!」

花音「でも…二宮先生の手で、二宮先生の好みの顔にして欲しいんです…」

二宮「話の続きは第三食堂かどこかひとけのない場所で!

   眠らなきゃいけないんで、通話切りますね?」

花音「脂肪注入のほうは、してもらえるんでしょうか?」

二宮「それはします。ヒト由来の脂肪を注入しましょう」

花音「本当ですか!?ありがとうございます!!」

二宮「それではそちらもおやすみなさい」

花音「おやすみなさい、良い夢を!」

通話が切れた。

完「名前、なんて?」

二宮「さくらざき かのんだとよ、どんな字かはわからないけど」

完「本当に全然知らない人?」

二宮「本人いわくやせっぽちらしいからオレの目に入らなかったんじゃ

   ねえかな」

完「よかったね、その…二宮のしたいことができる相手ができて」

二宮「今でも信じられねえよ…」

完「きっとさくらざきさん、ホワイトデーの光景見てたんじゃないの?」

二宮「オレのことはずっと見てたって言ってた」

完「じゃあ、ロッソさんに名刺受け取ってもらえなかったことも

  バレンタインデーのことも全部見られてたんだね」

二宮「オレ恥ずかしい~!!」

二宮は狭いベッドでじたばた悶えた。

完「ちょっと、落ちるよ!?」

二宮「大丈夫落ち着いた。ひっひっふー、ひっひっふー」

完「いい子だから和春、もう寝なさい」

二宮「完…」

完「名前で呼び合うの気色悪いね」

二宮「なんかくすぐったいな」

完「腕枕してあげようか?ちょっとだけ」

二宮「脇の下がら空きになるぞ」

完「じゃあやめる」

二宮「オレがしてやるよ、ほら」

完「ああ~、二宮の腕、意外と筋肉質なんだね…気持ちいい…」

二宮「ダンスは腕も使うからな」

完「二宮はポコポコ動画に投稿したりしないの?」

二宮「たまに長瀬とコラボして手術衣で踊るな」

完「え、その関係まだ続いてたの!?」

二宮「公園で撮ったりしてるぜ?撮影はマカポー」

完「今度見てみるよ」

二宮「しっかし長瀬の野郎の関節は…どうなってん…だろうな…」

完「ふふ…おやすみ、和春…」

その日は急患もなく、二人は朝まで腕枕をしたままぐっすり眠った。

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(翌日昼 某県郊外 さくらグリーンパーク)

川沿いの公園は広い。

一面芝生に覆われ、八重桜の並木が良い天気の元で満開に咲いている。

ふたりは八重桜の下のベンチで、弁当を広げていた。

仕事は二人とも休みをとった。

リア充フラグに寛容な礼英である。

花音「作ってきたんですよ、オブラートアートの

   『転生したらドワーフだった件』のデコ弁

   お口に合えばいいのですが…」

二宮「あっそれ知ってる!このドワーフがドジでかわいいんだよね!

   あっ…タメ口OKですか?」

花音「大丈夫です!全然気にしません!」

二宮「この卵焼き美味しい~~!!あっオレ味付けのり大好きなんだよね」

花音「二宮先生、短い間に随分痩せましたね…」

二宮「ホワイトデーの日以降はさすがに朝は食べてたけど昼も夕も食べられずに

   夜公園でノリのいい曲でぶっ倒れるくらい踊ってたからかな…

   実際ぶっ倒れて救急車で運ばれて病院に泊まって栄養点滴とかザラにあった」

花音「無茶しちゃ駄目です!ちゃんと食べてください!はい、あ~ん」

二宮「あ~ん…んん~!この唐揚げスパイシーで美味しい~!」

花音「牛乳ありますよ、辛い物苦手だったら大変なので」

二宮「別に辛いものは苦手じゃないけど牛乳もらおうかな」

花音「H道の実家から送ってもらった牛乳なんです。北国ですよ」

二宮「花音さんも敬語つかわなくていいよ…牛乳うめー!コクがある!!」

花音「オブアート…自信ないんですが…」

二宮「すっごい上手だね!そっくりだよこのころんとした目つきとか!」

花音「専用の食用ペンで描きました。写し絵じゃなくて、見ながら」

二宮「すげ~尊敬する…オレダンスしかできないから…」

花音「二宮先生と青木先生のコラボ動画、毎回必ず見てましたよ!!

   コメントもいっぱいつけました!

   ポコレポにも登録してたんで更新すぐにわかりましたし」

二宮「だからタメ口でいいって。ありがと!オレ、かっこよく踊れてた?」

花音「それはもちろん!うはwwwwおkwwwwって感じで!!」

二宮「それはどっちかというと長瀬…先生寄りのコメントじゃない?」

花音「普通にかっこいい!とかもいれまし…入れた!」

二宮「よくできました。あ、このごはん美味しい~ほんのりあったかくて甘い…

   なんか、米の味が濃い。うまくいえないけど、ダシが効いてるっていうか」

花音「だしなんていれてま…入れてないよ?

   それは某県産のモチヒカリ米ですね。もち米じゃないんですけど」

二宮「たしかにモチモチしてる…あ~、このお弁当毎日食べたい」

花音「いいですよ!毎日作ってきますね!あ、また敬語出ちゃった…」

二宮「しょうがないよ、長年のクセだもん。ところで花音ちゃんっていくつ?」

花音「24歳です…いくつに見えました?」

二宮「ん~、トシがわからないな…いわゆる年齢不詳ってやつだ。

   っていうか、そんなにブスじゃないじゃん。

   まぶたが一重で鼻が少し大きくて

   歯が少し出ててちょっとエラが張ってるだけで」

花音「ちょっとどころじゃないですよ!唇からはみ出してるんですよ!?

   おかげで小中学校では出っ歯ブスっていじめられて…」

二宮「ええ!?そんなに笑顔が素敵なのにいじめられてたの!?」

花音「いじめるのは男の子ばっかりでしたけどね。女の子とはうまく

   やってました」

二宮「ほらまた敬語~、抜けないならそのままでもいいよ?」

花音「ありがとうございます。敬語のほうが気が楽です」

二宮「牛乳もっとない?喉渇いちゃって」

花音「たっくさんありますよ!どんどん飲んじゃってください!」

二宮「どんだけ持ってきてたの!?重くなかった?

   そんなに痩せてるんじゃ力もないんじゃ…」

花音「確かに私は非力ですが、リュックで背負ってきたのでマシでした」

二宮「全部出してみ?」

花音「はい。全部で4リットルあります」

二宮「余ったの持って帰っていい?っていうか一緒に住んでいい?

   オレんち自慢じゃないけど広いよ。マンションだけど。

   片付いてるし、花音ちゃんの趣味の物も十分置けると思う」

花音「同人誌とコスプレ衣装が大量にあるんですけど…」

二宮「花音ちゃんコスプレすんの!?見せて!?」

花音「今日は写真持ってきてないんで…メイクでかなり化けてます」

二宮「WIREで送って!これID」

二宮は自分のスマホを操作すると、トークアプリのバーコードを差し出した。

花音「私WIREやってないんです…今から導入しますね!」

花音はアプリストアにアクセスし、無事にWIREを導入し、

二宮を友達登録した。

二宮「恋人専用アプリなんかもあるよね。そっちにする?」

花音「えっ…」

二宮「付き合い始めた記念日とか、思い出写真とか動画とか、

   交換日記とかいろいろできるよ?」

花音「あの…恋人…私…その…(超小声で二宮の耳元で)セックス

   (戻る)できるだけでよかったんですけど…」

二宮「結婚してください」

花音「ええ!?今日会ったばかりですよ!?昨日の夜電話して…」

二宮「じゃあ、結婚を前提にお付き合いしてください」

花音「いいんですか…こんな私で…ガリガリの…私で…」

二宮「脂肪注入なら任せてください。タダでやらせていただきます」

花音「私けっこう貯金あるんですよ?」

二宮「オレが出します。いずれ結婚すればお金は共有財産です」

花音「私…部屋すぐ散らかしちゃうんです…」

二宮「オレが片づけるから大丈夫だって!片付いてる部屋好きなの

   ダンスもできるしね。今度絶対コスプレ生で見せてよ?」

花音「はい!今度コスプレイベントがあるので、転ドワのエルフの

   コスプレします!カメラマンとして一緒に来てください!

   そうだ二宮先生もコスプレしましょうよ!

   恋人役のエルフの恰好とか、似合いそうです!」

二宮「コスプレかあ~、大学でナース服着たくらいで

   ぜんっぜんしたことないや…あとは長瀬…先生と

   手術衣…あれはコスプレっていわないか仕事着だ」

花音「一緒にイベント出ましょう!きっと人気者になれますよ~!

   二宮先生元からイケメンだし!

   あ、私専属のカメコがいたんですけど解約しますね!」

二宮「かめこ…?」

花音「カメラマンです。プロなんですよ~

   男性で独身なので、私狙われたら大変なので…

   コスプレすると本当に化けるんで…」

二宮「オレが守るから大丈夫だよ」

花音「その人柔道経験者なんです…」

二宮「うーん…暴力に訴えられたら勝ち目ないな…

   でも会場内でそんなことしたら即出禁でしょ?

   大丈夫なんじゃない?」

花音「それもそうですよね」

二宮「オレも写真勉強しようかな…オレの手で花音ちゃんを撮りたい

   コスプレじゃなくて、普段の花音ちゃんも

   いま撮っていい?デジカメ持ってきてるんだ」

花音「ダメです!!二宮先生のカメラに汚物が残っちゃう!!」

二宮「汚物って…じゃあとびっきりの笑顔で一枚だけ!ね?お願い!!」

花音「仕方ないですね…本当に1枚だけですよ?」

二宮「おっけー!」

二宮は非常にコンパクトなコンパクトデジタルカメラを取り出し

花音の笑顔をどアップで撮った。

そしてデジタルカメラのプレビュー画面で花音に見せる。

二宮「ほら、お化粧してるせいもあって、肌も綺麗だしいいじゃない」

花音「今度はコスプレ写真撮ってくださいね!」

二宮「寒くなってきたね…大丈夫?」

花音「はい…かなり寒いです…」

二宮「かなり!?言ってくれれば上着貸したのに!!」

花音「話すのに夢中で忘れてたんですけど、言われてみるとかなり寒いです」

二宮「これ着て!オレは大丈夫だから!駐車場までけっこうあるから

   二人で走っていけばあったまるよ!」

花音「はい!」

花音は全力疾走した!!

二宮「ちょ…花音ちゃん速い!!君は風のようだ!!」

二宮も必死で追いつく。

二人は二宮のスポーツカータイプの電気自動車に乗り込むと、

ほっと息をついた。

二宮「車の中はあったかいから助かった…」

花音「暑い~!!上着もういいです、ありがとうございました」

二宮「冷房入れる?」

花音「いえ、脱いだらちょうどよくなりました」

二宮「オレんち行こう?ここから近いよ」

花音「夢のようです~!楽しみです~!!」

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(某県郊外のマンション 201号室)

花音「おじゃましま…わあ~~いきなり広い~~!」

二宮「そこのソファにでも座ってて。何か飲む?」

花音「あ、私さっきの牛乳持ってきました!」

二宮「ホットミルクにしようか」

花音「そうですね」

二宮は牛乳を小鍋に入れてIHヒーターにかけた。

すぐに牛乳は熱々のホットミルクになった。

二宮「オレ、あっためた牛乳に皮が張るの好きなんだよね」

花音「わかりみ…牛乳湯葉美味しいですよね」

二宮と花音はホットミルクにクチをつけた。

二宮・花音「あちっ!!!」

牛乳は沸騰してすぐの物だった。

二宮「ハモったwww」

花音「www ちょっとこれ冷ましましょう…」

二宮「氷入れます?あ、牛乳を入れればいいのか」

花音「私やります!なみなみ~~」

二宮「対流で冷たいのが下に行くからスプーンいらず」

花音「はちみつも持ってきました!」

二宮「どんだけ用意いいの!?入れよう入れよう」

花音はほどよい温度になったホットミルクに

たっぷりとはちみつを入れた。

二宮「これはスプーン必要だな…」

花音「入れ過ぎました?」

二宮「いや、たまには甘いものも欲しいからいいよ」

二宮はキッチンからスプーンを持ってくると、

真っ白なマグカップに入ったふたつのホットミルクを

ゆっくりとかきまぜた。

二宮「それで本題なんですが…」

花音「はい?」

二宮「脂肪提供者に心当たりがあります」

花音「誰ですか!?まさか宮越さん!?」

宮越千尋というのがロッソの本名である。

二宮「あてられた…」

花音「痩せたがってたし、二宮先生の愛した宮越さんの脂肪を

   移植してもらえるなんて、嬉しいです!!」

二宮「憎まれるかと思って、内緒にしようとしてたところだったのに…

   それじゃあロッソさんの脂肪抽出もタダでやろう

   ただしオレがやるっていう条件つきで」

花音「私、身長160cmで35kgしかないんです…」

二宮「生理はちゃんとある?」

花音「あります!それは大丈夫です!小食ですが栄養のある物を

   食べるようにしてるので!大豆とか卵とかお肉とか!」

二宮「太りたいなら甘いものオススメだよ」

花音「あまりにも甘いのは苦手で…このホットミルクなら

   なんとか飲めそうですけど」

二宮「とにかく炭水化物をとることだね。甘さひかえめの

   ビスケットとかでもいいから。もちろんお肉は脂身たっぷりで」

花音「私、お肉の脂身苦手で…」

二宮「いいお店知ってるよ。たっぷりの脂身でもすっきり食べられるとこ」

花音「今度連れて行ってください!」

二宮「じゃあ今日の夕食はそこにしよっか」

花音「今から運転疲れません?材料さえあるなら私作りますよ?」

二宮「マジで!?今は豆腐とひき肉とパン粉と冷凍ブロッコリー

   マッシュルームと低脂肪乳と玉子と…あと何があったっけなあ

   ごはんは炊かないとないや」

花音「じゃあお豆腐ハンバーグでも作りましょうか?」

二宮「またヘルシーな…肉100%で作ろうよ」

花音「二宮先生がそう言うなら…」

二宮「じゃあごはん炊いちゃうね 早炊き~」

二宮は米を研ぐと、炊飯器に定量の水を入れ、炊飯器を早炊きにセットした。

二宮「IHヒーターの使い方わかる?」

花音「わかりません…火加減とか教えてもらえますか?」

二宮「うん。タイマーとかもでき…あ、玉ねぎがない」

花音「マッシュルーム刻んで入れましょう」

二人でキッチンに立ち、花音はハンバーグの下ごしらえをし、

二宮はそれを見ていた。

二宮「いい包丁さばき!」

花音「あの…恋人同士アプリ、楽しみにしてます…」

二宮「あ、アプリで写真撮ろうっと。今日は付き合い始め+ハンバーグ

   記念日~~ ああ!!」

花音「どうしました!?」

二宮「お弁当美味しすぎて写真撮り忘れた…!!一生の不覚…!!」

花音「私撮ってありますよ!大丈夫です!」

二宮「じゃあラブシーク(恋人同士アプリ)にアップしておいて!」

花音「ハンバーグ作ったらアップしますね!」

花音はボウルに牛豚合い挽き肉を入れ、刻んだマッシュルームと

塩、あらびき胡椒、ナツメグを適量入れ、こねた。

二宮「オレ、肉さわるときは手袋するんすよ」

花音「そうなんですか?確かに汚れとか匂いとかつきますもんね」

二宮「手を洗うのが面倒でww」

花音「ww わかりますww でもついつい素手でやっちゃうんですよね」

二宮「オレ形整えるの手伝うよ」

二宮はキッチンの横の廊下の棚から使い捨てのビニール手袋を取り出すと

両手にはめて、ハンバーグのタネを両手でぽんぽんと手のひらに

叩きつけ始めた。

花音「上手!」

二宮「サンキュ!これでも料理歴長いから。うちの中畑と違って」

花音「中畑先生…ああ、柏木さんとご結婚された方ですか」

二宮「あいつ玲央併願卒でさ」

花音「ええ!?超高学歴じゃないですか!!」

二宮「父親治そうとしてたらしい。死んじまったがな…」

花音「情技の中畑先生のお父様ですよね、何度かお目にしたことがあります

   小説とか書くんですよ!けっこう、面白かったです。

   確かアニメ化したんじゃなかったかな…不思議の花嫁…」

二宮「マジか!!それはノーマークだった!!

   っていうか小説書いてるのも知らなかった!!」

花音は二人でこねたハンバーグを、オリーブ油をひいた

フライパンの上に置くと、

花音「えっと…スイッチは…」

二宮「メインの電源は右」

花音「あった!これですね!で、スイッチは…これか!」

花音はIHヒーターを強火でセットした。

花音「まずは焼き目を付けます」

二宮「ハンバーグは焼き目が命!ソースどうする?」

花音「ケチャップとウスターソースかとんかつソースがあれば作れますよ」

二宮「ケチャップと…あちゃ~ソースは切らしてるな…

   マヨネーズならあるけど」

花音「オーロラソースのハンバーグ…新しいですね、食べたことないです」

二宮「オレもないな…なんかちょっと怖いな…」

花音「大根とかってあります?」

二宮「大根ならあるよ」

花音「ポン酢は?」

二宮「あ、おろしポン酢っていうのがある」

花音「じゃあそれにしましょう」

話しているうちに、ハンバーグに焼き目がついた。

それを花音がフライ返しでひっくり返し、フライパンに押し付ける。

花音「弱めの中火にして、ふたをしてじっくり5分くらい焼きます」

二宮「じゃあその間に長瀬…先生に電話しちゃおう」

花音「なんて電話するんですか?」

二宮「ロッソさんの脂肪吸引の約束をとりつけに」

二宮はキッチンに立ったまま、ポケットからスマホを取り出し

今は情技にいる長瀬に電話をかけた。

(某県郊外 医療機関礼英 情技ナースセンター)

長瀬「もしもし?どなたですか?」

二宮「あ、礼音(れおん)?そっちにロッソさんいる?」

長瀬「いますよ、今日は一緒に夜勤です」

二宮「代わって、脂肪吸引タダでやってあげるって言って」

長瀬「ロッソ、二宮先生が脂肪吸引タダでやってあげるって言ってるよ?」

ロッソ「もしもし二宮先生!?マジですか!?嘘つきませんか!?」

二宮「私が施術するという条件つきですがそれでもよければ」

ロッソ「全身麻酔とかしませんよね?」

二宮「しませんよwwちょうど貴女の脂肪が欲しいという人がいるので」

ロッソ「え、誰ですか?」

二宮「情技の桜埼花音さんです」

ロッソ「あ~…確かにかなり痩せてますもんね彼女」

二宮「それで条件のほうよろしいですか?」

ロッソ「是非ぜひ!!でも、お高いんでしょう?」

二宮「費用はこちらで持ちます。でも事情が事情なんで

   礼英ならタダにしてもらえそうですが」

ロッソ「事情?」

二宮「秘密です。それで日取りは…」

ロッソ「私明日休み取ります!!一気にいっちゃってください!!」

二宮「一度にとれる脂肪の量は3000~4000ccぐらいが平均的な量だと言われています」

ロッソ「なんだ…一気に劇痩せできるわけじゃないんだ…」

二宮「最低でも1ヶ月以上の間隔を空けて手術します」

ロッソ「1ヵ月以上…待ち遠しい…」

二宮「まあ礼英なら一気に取っても体に負担のかからない技術を

   開発済みですけどね」

ロッソ「それなら一気にお願いします!!

    ワタスを標準体型にしてください!!

    なんなら胸から取ってもいいですよ!!」

二宮「胸は残しておきましょうよ…」

ロッソ「肩が凝るんですよ…かわいいブラもないし…」

二宮「何カップくらい残れば満足ですか?」

ロッソ「Cくらいでいいです…」

二宮「もったいない…いえ!なんでもありません!!」

ロッソ「手術中にセクハラ発言したらはったおしますからそのおつもりで」

二宮「動いたらあぶないですよ!!もちろんそんなことしません!!」

ロッソ「あと、セクハラ的な視線を投げかけるのもやめてください」

二宮「吸引中は時間まで助手に任せてその場にいないので安心してください」

ロッソ「わかりました。それじゃあ明日!」

二宮「はい」

花音「ハンバーグできましたよ~~」

ロッソ「その声は花音たん!?どうしてそこに!?っていうか今ドコ!?」

二宮「オレんちです。ハンバーグ冷めるので切りますね」

ロッソ「ちょま…!!」

通話が切れた。

ロッソ「花音たん…二宮先生は危険だ…!!」

長瀬「ひょっとして脂肪注入されたがってるのって花音たんだったりして」

ロッソ「あり得る…二宮先生に好かれようとして…??

    でもそんな話聞いたことなかった…」

長瀬「二宮先生、露骨にロッソに気があるそぶり見せてたっていうか

   猛アタックしてたもんね。ロッソに話す気はなかったんじゃない?」

ロッソ「ああ…心配だ…!!」

長瀬「和春いいヤツだよ。ポコ動にコラボする動画喜んで協力してくれるし

   高級なビデオカメラ買ってくれるし帰りに劇ウマなメシ作ってくれるし」

ロッソ「名前で呼び合ってるんですか!?」

長瀬「そうだよ、和春、礼音って。オレもタメ口。トシ近いしね」

ロッソ「玉の輿に乗っておくべきだったか…!!

    でも私は青木先生のほうが好きなんだ…!!!」

(某県郊外のマンション 201号室 ダイニング)

二宮「いただきます!ん~!うま~~!!これタレなくてもいけるかも」

花音「私はいつもタレとかソースは無しで作ってますね」

二宮「そうだ写真とらなきゃ、ラブシークラブシーク」

二宮はスマホを取り出すとラブシークを起動し、ハンバーグの写真を撮った。

ちぎりレタスにカットしたトマト、ブロッコリーも皿に載っていて

非常に彩りのいい食事になった。

スープは昨日の残り物のキャベツのコンソメスープである。

花音「スープも美味しいですね!ちょっと薄味で」

二宮「血圧気になるからさ」

花音「え、異常値なんですか!?」

二宮「いや異常値じゃないけど、高血圧にはなりたくないから」

花音「血圧は標準値ですか?」

二宮「上128、下87」

花音「正常!(ぐっ)」

二宮「花音ちゃん…」

花音「なんです…なあに?」

二宮「キスしたい」

花音「ん~……」

花音は身を乗り出し、二宮の目の前で唇を尖らせた。

二宮「ん…」

二宮はそこに甘い口づけを落とす。

花音の歯列に舌を割り込ませ、花音のそれと絡める。

ディープキスは30秒ほど続き、二人の顔が離れた。

二宮「うん、ハンバーグの味」

花音「私の口の中無味無臭wwww」

二宮「全部吸い取っちゃった。ごめんねてへぺろ

花音「セックス…したい…」

二宮「一緒にお風呂入ろう?そこそこ広いようちのお風呂

   ラブホほどじゃないけど、二人で並んで浸かれるよ

   半身浴もできるしね」

花音「入浴介助させてください!!でも…私の体貧相で…

   見られるの恥ずかしい…あそこの締まりには自信があるんですけど…」

二宮「あるんだ?あ、お風呂…昨日の夜の追い炊きじゃダメ?」

花音「いいですよ!二宮先生のエキスが入ったお湯…飲んじゃおうっと…」

二宮「入浴剤入ってるよ!?」

花音「どんな入浴剤ですか?」

二宮「K湯の素」

花音「じゃあ大丈夫ですよ、温泉の水って飲んでも害ないし」

二宮「説明書見てくる」

花音「一緒に行きます!行く!」

二人は洗面所へ向かった。

清潔感のある洗面台は綺麗に整頓されていて、花音は好感を持った。

二宮「うん、飲んでも大丈夫って書いてある」

花音「あっ……」

二宮「どうしたの?」

花音「この洗顔フォーム、私のこといじめてた男の子と同じ…」

二宮「変えよう」

花音「でも、気に入ってるんでしょ?」

二宮「いや、最近香りに飽きてきてるんだよね。せっかくだから変えよう」

花音「うちの実家、無添加の石鹸作ってるんです…石鹸作ってるんだ~

   送ってもらおっか?」

二宮「おっ、いいねえ!あとオレのことは和春って呼んで」

花音「和春、無添加石鹸はいいぞ」

二宮「それってブラック会社であった怖い話の進堂だよね?」

花音「ご存じでし…知ってたの!?」

二宮「ポコポコ動画でプレイ動画見てハマって買った。

   あれ蝋人形の話が怖いんだよね」

花音「そうそう!蝋人形に魂を吹き込もうとしてる人がいて~」

二宮「オレは進堂が無添加石鹸の素晴らしさをとうとうと語ってるのが

   怖かったな。添加物の恐ろしさとかやけに詳しいんだよ」

給湯器「お風呂が沸きました」

花音「キエエエエエシャベッタアアアアアア!!!」

二宮「今どき当たり前じゃない?お風呂行こ!脱いで脱いで!」

花音「あっ…泊まることまでは考えてなかったから明日の服持ってない…」

二宮「そこのドラム式洗濯機に放り込んじゃえ、それで乾燥までやっちゃおう」

花音「洗濯ネットあります?」

二宮「あ、ない。オレネットに入れる必要のある服着ないんだ…」

花音「じゃあ、ブラは洗えませんね…ホックがついてるから

   他の洗濯物に引っかかっちゃう…」

二宮「今日そんなに汗かいた?」

花音「全力疾走したときにわりと汗かきましたね…」

二宮「っていうかその胸でブラしてたんだ…」

まな板だった。その上あばら骨がくっきり浮き出ている。

二宮「こんなに痩せて…患者でもひどい拒食症の人いたけど

   思い出すな…何食べても吐いちゃって…

   舌切り取って他人の舌移植したんだよね…

   フランス国籍の女性の舌をさ…

   それからなんでも美味しく食べられるようになって、

   今はどうしてるんだろ、とにかく標準体型までにはなったよ」

花音「そんなことがあったんだ…」

二宮「その人にそっくりだよ、花音ちゃんの体」

花音「和春…抱いてくれる?」

二宮「当たり前!!さあ!!湯船に浸かろう!!」

二人は股間を洗い流すと、並んで湯船に肩まで浸かった。

花音「ブラどうしよう…」

二宮「24時間やってるポンキで買おうか」

花音「私アンダーバストが小さすぎてポンキにもサイズがなくて…」

二宮「うーん困ったな、水着はさすがに持ってきてないよね?」

花音「ありません…」

二宮「ブラキャミは?」

花音「その手があった!!でも…胸が足りないかも…」

二宮「じゃあ補正下着とかは?」

花音「その手があった!!あれなら窮屈だし、ブラとして代用できる!」

二宮「ひょっとしてブラないとどうしても落ち着かない派?

   あ、体洗って~~」

花音「タオルどこですか?」

二宮「あ、オレ全身スポンジで洗うの」

二宮は浴槽を出て、洗い場の椅子に腰かけた。

続いて花音も浴槽を出る。

花音「腕柔らかいんですね~ 私背中はタオルじゃないと洗えません…」

二宮「引っ越しておいでよ、これから毎日…あ!洗面所のスマホ取って!」

花音「私の?それとも和春の?」

二宮「どっちでもいいよオレのロックかかってないから。

   初一緒にお風呂記念写真ラブシークにアップしようよ」

花音「そのつもりで私もスマホ持ってきました!!

   あっまた敬語出ちゃった 和春って華奢だね」

二宮「そうなんだよね、肩幅なくて。うちの柏崎と違って」

花音「結婚式素敵だったぁ~!じゃ、背中洗うね

   どこかかゆいところある?」

二宮「ワインボトルのクラッカーは傑作だったけどなww

   うーん、背骨に沿って真ん中がかゆいからちょっと強めにやって」

花音「このスポンジ、なんかゴワゴワしてて硬い…」

二宮「本当は風呂洗うスポンジなんだけど、そっちのほうが気持ちよくてさ

   垢も落ちるし」

花音「ダメだよ~ ちゃんと人肌用のやつ使わないと…」

二宮「近くに売ってなかったんだよ人肌用の硬いやつ」

花音「背骨ごしごし…こんな感じ?」

二宮「けっこう力あるじゃん、非力とか言ってたけど」

花音「えへへ、入浴介助には自信あるんだ~~」

二宮「じゃあその調子で全身くまなく洗ってもらおうかな」

かのん は にのみや の ぜんしん を ねんいり に あらった !!

二宮「はふ~~気持ちよかった!!」

花音「じゃ、お湯で流しますね~シャワーの方がいいですか?」

二宮「完全にお仕事モードwww」

花音「ごめんごめんwwついww」

二宮「お風呂のお湯減っちゃうからシャワーの方がいいかな」

花音「シャワーこれですか?えーと…」

二宮「このレバーを後ろに倒すの」

花音「あっこれか!しゃわわ~~」

花音は二宮の全身をシャワーで洗い流していく。

適温のシャワーは二宮の疲れを癒した。

二宮「冷えちゃった?いったん浸かる?」

花音「ううん、このお風呂の中ていうか洗い場?あったかいね」

二宮「暖房入ってるからね」

花音「ハイテク~!」

二宮「じゃあ花音ちゃんのことも洗ってあげるよ」

にのみや は かのん の ぜんしん を ねんいり に あらった !!

花音「はふ~♥ヒトに洗ってもらうのってこんなに気持ちいいんですね~」

二宮「素がでちゃってるよwwいいけどwww」

花音「このままシャンプーしちゃいますか!えっとシャンプーは…」

二宮「オレ女性向けのシャンプー使ってんのww香りがいいからww」

花音「あ、これイエースイエースの…香りがいいんだよね?

   使ってみたい!洗髪介助入りま~す!」

かのん は にのみや の かみ と とうひ を ねんいり に あらった !!

二宮「はふ~、やっぱプロは違うわ~」

花音「しゃわわ~~」

二宮「あ~~~~~」

花音「髪は自分で洗うから和春は浸かってていいよ」

二宮「いや、オレにはその髪を洗う義務がある!!」

花音「長いよ?それに多いよ??」

二宮「大丈夫だ、問題ない

にのみや は かのん の かみ と とうひ を ねんいり に あらった !!

花音「はふ~、リラクゼーション効果ばっちり~~香りもいいし~~」

二宮「でしょ?このフローラルハーブの香り、気に入ってるんだ~」

二宮は花音の髪と頭をシャワーで洗い流した。

二宮「さて…上がってセックスでもしようか?」

花音「は…うん…和春…やさしくしてね…?」

二宮「ひょっとして初めてとか…」

花音「う…うん…////////////モテなかったの私……」

二宮「マジか!!処女とか最高じゃんいただきます!!」

花音「和春のことだから、処女とかめんどくさいとか言うと思ってた…」

二宮「オレの評価どうなのwwwww」

かくして二人は、はちみつたっぷりのホットミルクのようなひと時を過ごし、

翌朝二宮の車で出勤することになる。

大遅刻のハッピーホワイトデー

(昼食時 某医療関礼英 第3食堂)

ロッソ「あ、青木先生おつかれさまd」

青木「ごめん!!!!」

青木は土下座した!!

ロッソ「ちょ、ちょっと、頭あげてください」

情技の面々は何事かと立ち止まり、ひとだかりができはじめていた。

二宮「ちょっとここ通りますよ~~」

その人垣をかきわけて二宮が青木とロッソの元へ向かう。

二宮「ロッソさん、これ…オレの気持ちです。

ロッソさんもやっているというレジンの手作りブローチです。

納得のいく形になるまでにこんなに時間がかかってしまいましたが…」

ロッソ「お断りします」

二宮「せめて見るだけ!」

そう言って、二宮は紙の写真を取り出した。

そこには、桜をモチーフにしたころんとかわいらしいブローチが写っていた。

プロが作ったのかと思うほど、よくできている。

だが、ロッソはちらっと見ただけでこう言った。

ロッソ「確かによくできていますが、これは受け取れません」

会話は人垣の中で行われていた。

青木「ロッソ、とりあえずテーブルについて昼飯食おう」

ロッソ「そうですね!土下座の理由も気になりますし!」

二宮「待ったあああああ!!」

ロッソ「二宮先生の席、ありませんから」

情技の若手メンバーの座っている席のある長テーブルは、

青木とロッソの席を残してすべて埋まっている。

新型ウイルスのワクチンの接種は職員全員が済ませているので

多少密になってもかまわないようだ。

もちろんワクチンは礼英が独自に開発したものである。

二宮「お前そこどけよ」

二宮がドスの効いた声で了に話しかける。

ピアノ「しつこい男は嫌われますよ~~」

了「そうですよ、ロッソもはっきりと断ってるじゃないですか」

二宮「ぐぐ……」

プリモ「私たちの大切な親友に、これ以上しつこくしないでください」

二宮の完全敗北だった。

(3月14日 昼食時 某医療機関礼英 最終医科学研究所 314号室)

患者は、矢野の訪問を待ち焦がれていた。

外見的には年齢不詳のかわいらしい女性で、

もちろんバレンタインデーに通販でオーダーメイドチョコレートを

贈ったばかりだった。

名を藤井礼子(ふじいれいこ)という。

彼女は腎臓の難病をわずらっていた。

人工透析も最初は毎日行っていた。

今は週に1回で済んでいるが、その体で

矢野がアルトサックスで登場するイベントには

毎回欠かさず訪れ、菓子折りを渡し、

趣味の話に花を咲かせることもたびたびあった。

礼子は矢野の演奏が終わると必ず「ブラボー!!」と叫び

席も最前列で観覧していたので矢野も目線を送っていた。

相思相愛。

そんな言葉がぴったりの二人だった。

矢野「失礼します」

礼子「矢野先生…お会いできてうれしいです!!」

矢野「私も嬉しいです。その後お加減はいかがですか?」

礼子「透析した日も元気いっぱいです!」

矢野「そうですか、それはよかったです。

   それで今日は藤井さんに渡したい物があるのですが…」

礼子「礼子でいいです」

矢野「れ…礼子さん…これ…私の気持ちです。受け取ってください」

矢野「うわあ…!!!!」

それは飴細工でできた非常に精工な花束だった。

しかも、全部赤い薔薇。100本ある。

矢野「自分では到底作れないので、京都の職人に頼み込んで

なんとか1か月で作ってもらいました」

礼子「こんな立派なものを…本当にいいんですか?

   私ひとりじゃ食べきれなさそうなので、一緒に食べたいです…」

矢野「食後のデザートに二人でいただきましょう。

   食事介助もさせていただきますよ」

礼子「もう全然必要ありません!でも、一回だけあーんってして欲しいです…」

今日の昼食は八宝菜とキムチ、それに中華スープに杏仁豆腐だった。

矢野「退院したら、ふたりでもっと美味しいお店に行きましょうね」

礼子「矢野先生…英一先生…私、一生英一先生のお食事作りたいです…」

矢野「ふ…れ、礼子さん…」

矢野の名札には、「矢野 英一(Eiichi Yano)とある。

礼子「私の方がさきに逝ってしまうのは百も承知なのですが、

   もう子供も産めないからだなのですが、それでも、それでも…!!」

矢野「え、礼子さんって失礼ながらおいくつなんですか…?」

礼子「今年で53歳になります」

矢野「ええ~~~!!!30代だと思ってましたよ!!」

礼子「童顔ですので…」

矢野「シミシワひとつないじゃないですか!!」

礼子「特にお手入れしなくても大丈夫だったんですよね

   でも老後はさすがに来ると思います

   こんな私ですが…将来につなげられませんが…

   生涯をともにしてくれませんか?」

矢野「礼英では不妊治療もかなり進んでいます。

   実際月経が再開して、出産された方もいます。

   礼子さん…ぜひ、私の、僕の子供をたくさん産んでください」

礼子「先生…!!!」

礼子は立ち上がり、矢野に抱き着いた。

(4月14日 某医療機関礼英 第3食堂)

二宮「覚えてろよ~!!」

小悪党にありがちな捨て台詞を残し、二宮は去っていった。

青木「あの…こ、これ…自由樹脂でボールペン作ったんだ…」

青木から細長い包みが、ロッソに渡された。

青木「オレもレジンやりたかったんだけど、どうしてもうまく

   いかなくて…そのボールペンもオレの握り癖がついてるし…」

ロッソ「これでいつも一緒ですね!開けてもいいですか?」

青木「どうぞ…」

ボールペンは、ロックバンドを彷彿とさせる蛍光色、ブラック、その他

カラフルなマーブル模様で作られていた。

青木「替え芯は使えないから使い捨てになっちゃうけど…

   切れたらすぐにまた新しいのを作るから

   今度は…できればロッソの握りくせを付けて…」

ロッソ「青木先生のボールペンも一生持ってますよ!!」

青木「ロッソ…!!」

青木は感涙した!!

了「青木、ラーメン早く食べないと伸びるぞ」

青木「伸びたラーメンもけっこうイケるよ」

いきなり通常運転なのである。

長瀬「そういえばプリモ、今度プリモのイテボ歌ってみたで

   踊ってみた動画作っていい?」

実は作成済みであった。

プリモ「えー!!是非是非!!まともなのと、珍妙奇妙奇天烈踊りと

    両方作って欲しいです!!」

長瀬「実はもう作ってあるんだなこれが。見る?」

長瀬はタブレットを取り出すと、プリモのイテボ歌ってみたに合わせた

まともなダンスをポコポコ動画で再生した。

プリモ「えっこれって投稿3年前じゃん!!あ、すいません敬語わすれました」

長瀬「本人に無断でスマソwwどうしても合わせたかったからさ」

プリモ「ギャー長瀬先生超かっこいいダンス!!!ありがとうございます!!」

長瀬「これをオレからのホワイトデーの贈り物にしていいかな?」

プリモ「え?」

ピアノ「ということは…」

長瀬「結婚を前提にお付き合いしてください」

プリモ「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!」

プリモは赤面爆発してしまった!!!

プリモ「不束者ですが…よろしく…お願い…いたします…!!!」

長瀬「こちらこそ!!いや~、OKもらえるとは思わなかった」

マカポー「立て続けになンだが…ピアノ、ちょっとこれをlook」

マカポーは人物画の色紙をピアノに見せた。

リアルタッチで描かれたそれは少し美化され、

ピアノの目に眩しく映った。

ピアノ「これ……私………マカポー先生が描いたんですか!?」

マカポー「I love you」

ピアノ「え………」

マカポー「あとこれピアノが普段から使ってる画材ダ

ペン先が万年筆になっている漫画用ペンと

いつも使っているサイズとメーカーの原稿用紙と

消しゴムと0.9mmのシャーペンの芯と」

ピアノ「ちょちょちょちょま!!話についていけません!!」

マカポー「I love you 君の作品と君をいつも見ていた…

ツイッパーもフォローしていた…だが吾輩は照れが先に立って

コメントできずにいつもリツイッパーとお気に入りばかり…」

ピアノ「そんなのいいんですよお!っていうかフォローされてませんよ?」

マカポー「裏アカウントナリ…ピアノ専用の…ピアノ専用絵リストと化した

コレクションアカウントナリよ…pixiの方も裏アカウント作って

ピアノの絵や漫画ばかりお気に入りに入れてたナリ…

通販は名前バレしてしまうからできなんだ…だからピアノの本、

一冊も持ってな…うう…っ oh my god !!!」

マカポーは机に突っ伏してむせび泣いた。

ピアノ「大丈夫です!!原稿データは既刊全部残ってます!!

在庫切れちゃった本は再版すればいいだけです!!」

マカポー「oh piano ...........」

ピアノ「そこまで私の作品と…その…私を愛していただけて光栄です

    こんな私でよければこれからもよろしくお願いします」

マカポーは狂喜乱舞した!!

マカポー「yeeeeeeees!!yes!yes!ok bravo!!」

---------------

かくして礼英のホワイトデーは幕を閉じた。

了がベッドで泣かされたのはまた別のお話…

---------------

(夜 某医療機関礼英 独身寮 深夜)

桜崎花音(さくらざきかのん)「決めた。二宮先生に顔面整形してもらおう。

               手術で脂肪付けてもらって太ろう。」

情技の看護師である彼女は、二宮のことが好きで好きでたまらなかった。

同時に性欲も旺盛で、日々二宮との性行為をオカズに自慰行為にふけっていた。

しかし、体型はかなりの痩せっぽちで、顔ははっきり言ってブスだった。

愛嬌のある不細工なので、嫌われはしなかったのだが…

彼女はいつも二宮のことを見ていた。

そして知った。二宮がふっくらした女性が好みだということを。

しかし自分は小食で、なかなか太れない。

近い将来、彼女は二宮に対して入院措置を申し込むことになる…

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ハッピーバレンタインデー

龍崎「ハッピーバレンタインデー!!!」

卯月「あらあら年甲斐もなくはしゃいじゃって」

如月「皆さんからの義理チョコ、お待ちしておりま~す!!

   本命チョコはダメよ、奥さんいるから。

   子供は男の子と女の子一人ずつ」

マカポー「What's!?Are you have two child ?!」

如月「yeeeeeeeees!!!!!」

長瀬「知らなかった…」

青木「まあ、室長あんまり自分のこと語りたがらないしね」

【某県郊外 柏崎夫妻の新居】

雪「これ…手作りの生チョコとガトーショコラです…

  お口に合えばいいのですが……」

柏埼「もしかして手作りですか!?」

雪「もちろんです!生チョコにはこっそりブランデー入ってるんですが

  ちょっとくらいならいいですよね…?」

柏崎「ほんの一口頂きます」

【某県郊外 医療機関礼英 第3食堂】

優「はいこれ、バレンタインデーだから

  キットで作ったチョコタルトだよ~~

  味見済みだから美味しいよ~~~」

了「うめえ!甘え!!チョコがビターと甘いのあってイイ!!」

長瀬「オレにもおこぼれを……」

優「どーぞどーぞ、ごえんりょなく」

マカポー「It's dellisias!!」

長瀬「うめー…あー、オレも彼女欲しい」

青木「ピアノとかは?」

長瀬「うーん、プリモもいいなあ」

ロッソ「ちょっとお邪魔しますよ~」

青木「何?ロッソ」

ロッソ「青木先生に渡すものがあります。今日はバレンタインデーなので」

青木「マジで!?本命チョコ!?」

ロッソ「本命に近い義理チョコです…」

青木「喰う喰う!!よだれ出てきた!!」

ロッソ「青木先生だけで全部食べてくださいね…

    あとレジンで作ったキーホルダーとロックバンドモチーフの缶バッジと

    他いろいろ入ってます」

青木「やあったー!!」

青木は立って小躍りした。

マカポー「It's crazy dancer !!」

長瀬「オレも踊ろうかな~!!ロッソにはもらえなかったけど

   優さんにチョコもらったから」

長瀬は珍妙奇妙奇怪奇天烈踊りを披露した!!

マカポー「It's crazy dancer too !!」

優「何その珍妙奇妙踊りwwwww」

長瀬「喜びの舞にござる」

了「マカポーみたいだなそれ」

二宮「そうはさせんぞ青木ィ!!」

青木「二宮先生!?」

ロッソ「二宮先生…」

ロッソはげんなりした!!

二宮「ロッソさんはオレのもんだ、三下はどいてな!!」

ロッソ「三下って…青木先生は立派な言語聴覚士ですよ!?」

マカポー「He is so nice !!」

二宮「じゃかまし!!医者にかなう相手なんていないの!!

   なんてったって形成外科医ですよ形成外科医!!」

ロッソ「職業に貴賤無しって昔偉い人が言っていたような…」

了「そーだそーだ!!今のは二宮先生が悪い!!」

長瀬「クチ悪いな了」

了「だって…」

二宮「あぁん?泣かされてえのかてめぇ」

了「ひっ…」

二宮「とにかくこのチョコはオレのモンだ、

   人の恋路にちょっかい出す馬の骨はどいてな!!」

二宮は青木のデコを思いっきり小突いた。

青木「いってー!!何すんですか二宮センセー!!」

二宮「じゃかあしいって言ってんだろうがこの豚野郎!!」

青木「豚野郎…」

ロッソ「青木先生十分細いじゃないですか…」

二宮「人の恋路を邪魔する奴はもれなく豚野郎ですよ」

矢野「まあまあそこまで言わなくても…

   青木先生十分痩せてるし」

ロッソ「そうですよ~~」

二宮「むむ…カラオケで勝負だ!!」

二宮と青木の接戦(?)は、まだまだ続きそうだった……

【某県郊外 医療機関礼英 総合病院】

叶具「佐藤~~!!こんなに食いきれねえって!!

   タダでさえダイエット中なのに…

   それに近頃増加傾向なのに…」

佐藤「ダメ!それ私の気持ち!!全部食べて!!Let's eat !!」

叶具「そんなぁ……」

男性看護師「うらやましいですねえ…僕も彼女欲しいなあ…」

女性看護師「あら、私がいるじゃない、はい、チョコレートケーキ♥」

男性看護師「えっ、あ、ありがとう…」

叶具「気のある素振りしてたの気付かなかったんですか?」

男性看護師「全く気付かなかったです…これっぽっちも」

ニブいのであった。

【某県郊外 完の自宅】

完「今日はバレンタインデーなのでお休みを頂きました」

鈴「これ…舐め取ってください…」

鈴の素肌の胸元には、液状ホワイトチョコレート

尻にも股間にも奥まで埋め込まれたそれは、

今か今かと完に舐め取られるのを待っていた。

完「それでは失礼して…」

鈴「あっ…やあっ…」

鈴は乳首を甘噛みされただけで悶絶した。

完は液状ホワイトチョコレートがついた首筋や耳にも舌を這わせた。

鈴「あ、あん!!」

鈴は耳や首筋が特に敏感だ。

完「気持ちいいですか?」

鈴「訊くのが遅いですぅ…」

完「すみません、夢中になってしまいまいした。

  鈴さん…好きです…愛しています…」

鈴「うさぎさん…私…幸せです…」

和「あらあら(*´艸`*)ラブラブねえ…

  お父さんとのこと、思い出すわ。一さん…今頃

  天国で元気にしてるかしら…?」

こうして幸せな夜は更けていくのであった。

【某県郊外 夜 柏崎夫妻の新居】

雪「あ、あ、あ、あ、あ!!」

軋むキングサイズのベッド。

二世帯住宅の2階の寝室で、雪は柏崎宗一に

激しく揺さぶられていた。

柏崎「紺野さん… 雪さん… 大好きです… 愛してます…!!」

雪「あっ ふぅんっ くぅっ うううっ」

雪は胎内を無意識にきつく締めて喘いだ。

柏崎「くっ…雪さん、雪さん…!!オレの子種…受け取ってください!!」

雪「ああ、ああああああ……!!!」

柏崎は熱く白濁した精を雪の中に放った。

雪「ちょっと…いや、だいぶ激しく、早かったような気がします…」

柏崎「そ、そうですか…??!」

雪「チョコレートには興奮作用がありますから、仕方ないですね

  それにちょっぴりお酒に酔っていたかもしれませんし」

柏崎「あのくらいで酔いませんよ……いくらなんでも」

雪「宗一さん、酒豪ですもんね、ふふふ」

こうして二人の新婚生活はまだまだ続くのであった。

ハッピーバレンタインデー

龍崎「ハッピーバレンタインデー!!!」

卯月「あらあら年甲斐もなくはしゃいじゃって」

如月「皆さんからの義理チョコ、お待ちしておりま~す!!

   本命チョコはダメよ、奥さんいるから。

   子供は男の子と女の子一人ずつ」

マカポー「What's!?Are you have two child ?!」

如月「yeeeeeeeees!!!!!」

長瀬「知らなかった…」

青木「まあ、室長あんまり自分のこと語りたがらないしね」

【某県郊外 柏崎夫妻の新居】

雪「これ…手作りの生チョコとガトーショコラです…

  お口に合えばいいのですが……」

柏埼「もしかして手作りですか!?」

雪「もちろんです!生チョコにはこっそりブランデー入ってるんですが

  ちょっとくらいならいいですよね…?」

柏崎「ほんの一口頂きます」

【某県郊外 医療機関礼英 第3食堂】

優「はいこれ、バレンタインデーだから

  キットで作ったチョコタルトだよ~~

  味見済みだから美味しいよ~~~」

了「うめえ!甘え!!チョコがビターと甘いのあってイイ!!」

長瀬「オレにもおこぼれを……」

優「どーぞどーぞ、ごえんりょなく」

マカポー「It's dellisias!!」

長瀬「うめー…あー、オレも彼女欲しい」

青木「ピアノとかは?」

長瀬「うーん、プリモもいいなあ」

ロッソ「ちょっとお邪魔しますよ~」

青木「何?ロッソ」

ロッソ「青木先生に渡すものがあります。今日はバレンタインデーなので」

青木「マジで!?本命チョコ!?」

ロッソ「本命に近い義理チョコです…」

青木「喰う喰う!!よだれ出てきた!!」

ロッソ「青木先生だけで全部食べてくださいね…

    あとレジンで作ったキーホルダーとロックバンドモチーフの缶バッジと

    他いろいろ入ってます」

青木「やあったー!!」

青木は立って小躍りした。

マカポー「It's crazy dancer !!」

長瀬「オレも踊ろうかな~!!ロッソにはもらえなかったけど

   優さんにチョコもらったから」

長瀬は珍妙奇妙機械奇天烈踊りを披露した!!

マカポー「It's crazy dancer too !!」

優「何その珍妙奇妙踊りwwwww」

長瀬「喜びの舞にござる」

了「マカポーみたいだなそれ」

【某県郊外 完の自宅】

完「今日はバレンタインデーなのでお休みを頂きました」

鈴「これ…舐め取ってください…」

鈴の素肌の胸元には、液状ホワイトチョコレート

尻にも股間にも奥まで埋め込まれたそれは、

今か今かと完に舐め取られるのを待っていた。

完「それでは失礼して…」

鈴「あっ…やあっ…」

鈴は乳首を甘噛みされただけで悶絶した。

完は液状ホワイトチョコレートがついた首筋や耳にも舌を這わせた。

鈴「あ、あん!!」

鈴は耳や首筋が特に敏感だ。

完「気持ちいいですか?」

鈴「訊くのが遅いですぅ…」

完「すみません、夢中になってしまいまいした。

  鈴さん…好きです…愛しています…」

鈴「うさぎさん…私…幸せです…」

こうして幸せな夜は更けていくのであった。

【某県郊外 夜 柏崎夫妻の新居】

雪「あ、あ、あ、あ、あ!!」

軋むキングサイズのベッド。

二世帯住宅の2階の寝室で、雪は柏崎宗一に

激しく揺さぶられていた。

柏崎「紺野さん… 雪さん… 大好きです… 愛してます…!!」

雪「あっ ふぅんっ くぅっ うううっ」

雪は胎内を無意識にきつく締めて喘いだ。

柏崎「くっ…紺野さん、オレの子種…受け取ってください!!」

雪「ああ、ああああああ……!!!」

柏崎は熱く白濁した精を雪の中に放った。

雪「ちょっと…いや、だいぶ激しく、早かったような気がします…」

柏崎「そ、そうですか…??!」

雪「チョコレートには興奮作用がありますから、仕方ないですね

  それにちょっぴりお酒に酔っていたかもしれませんし」

柏崎「あのくらいで酔いませんよ……いくらなんでも」

雪「宗一さん、酒豪ですもんね、ふふふ」

こうして二人の新婚生活はまだまだ続くのであった。

大学での了

了「はあっ…う…もう…やめ…」

(某県内医療福祉大学 ノン☆ストップ創作サークル サークル室)

G「録音できてんだろうな?」

H「ばっちりだぜ」

I「ポコポコ動画に上げようぜ」

了「それだけは…それだけは……!!」

了は、某県立中央男子高出身の面々からセクハラを受けていた。

?「たのもーう!!」

引き戸がガラっと開き、ひとりの女子生徒が現れた。

黒髪のショートカットにGカップのバスト、

柔道空手有段者の彼女は…

G「斎藤優!!」

H「まずいぞ、逃げろ!!」

I「オレたちなんにもしてませんから!!」

『斎藤優』と呼ばれた彼女は、逃げる3人を尻目に

つかつかと了の元へ歩み寄る。

了「斎藤…」

優「だから優でいいって言ってんじゃん」

斎藤優。

その魅惑的なボディラインのせいで、男子生徒から

性的な目で見られることの多かった彼女は

意にそぐわない相手は残らず締め落としてきた。

爆発物としてのセクシーダイナマイトと学内では有名だった。

優と了は同じノン☆ストップ創作サークルに所属しており、

優は生徒の製作物を楽しみ、自分では作らない。

了は粘土をこねていたが、自身がこねくりまわされることも多々あった。

優「もう、我慢の限界なのだよ」

了「何が?」

優「私以外の人間にあのような声を聴かせるな」

了「!?」

優は部屋に二人のほかに誰もいないことを確かめると、

軽く背伸びして了の頬に口づけた。

了「さいt…」

優「優」

了「ゆ、優…お前は気持ち悪いと思わないのか?男がこんな…」

サークルメンバー全員の前でセクハラされたことも多々あった。

この大学でも了の体質は周知の事実だった。

学校祭の出し物にしようという話もあったくらいだ。

優「色っぽくていいと思う」

了「いろ…」

優「もう一度言う。私以外の人間にあのような声を聴かせるな。

  これからは中畑にセクハラしようとする者全員を締め落とす」

独占欲。過剰防衛。

すべては優の愛情表現だった。

了「ええと…『私以外に』ということは…」

優「私だけが聴くのだ」

了「結局聴くのかよ!!まあ…でも…うん…その…あれだ」

優「はっきりしたまえ」

了「ならオレも了でいいや」

それは承諾だった。

あのような声を優に対してだけ、聴かせる。

それは男女の契約と言っても過言ではないだろう。

だが、了はあっさり了解した。

了の体質は、そのまま了のコンプレックスだった。

それを受け入れてくれる女性がいるのなら、こんなに嬉しいことはない。

優「了」

了「はい?」

優「私と付き合って。できれば結婚して」

了「け、結婚!?」

話が飛躍しすぎていると了は感じたが、

了「わかった」

了はまたもあっさりと了解した。

優は大学1年にして処女だった。

誰も優を組み倒せなかった。

優の性感帯は聴覚がメインだ。

男の喘ぎ声は、優の性感帯を刺激する最も有効な方法だった。

よくボーイズラブCDを聴きながらひとり、自慰行為にふけったものだった。

それが今、目の前にある。

それも、自慰ではなく肉体を持った相手だ。

これを逃す手はない。優はそう思ったのだ。

優「決まりね!このまま学生結婚キメちゃう?」

了「それはさすがに」

優「ルームシェアしよ!」

了「そ、それは…いいんかな…」

優「私がいいって言ってるんだからいいの」

優は押しが強い。

了「わかった。そのほうが家賃も浮くしな。

でも済むのはオレのアパートにしてくれ」

優「なんで?」

了「軽防音構造だから」

優「wwwwwわかったwwww」

優の両親は最初は渋っていたものの、将来

看護師の優が言語聴覚士と結婚できるならと、同居を認めた。

ただし、卒業したらすぐに結婚するようにとのことだった。

(後日 某県内郊外 医療福祉大学近くのアパート)

了「散らかってるけどごめんな」

優「ぜんっぜん散らかってないよ!」

優は了の部屋に引っ越してきた。

家電などは優の部屋に備え付けだったので持ってきていない。

服や本、CDなど優の私物が大半だった。

了「教授の特別教室…?」

優「あ、それBLCD」

了「絵もないし、そんな風に見えないな」

優「聴いてみる?」

了「興味ないです…」

エロ声は自分ので聴き飽きているのであった。

ダイニングキッチンと洋室、風呂、トイレの揃ったアパートで

洋室が軽防音になっている。

洋室にはシングルベッドが置いてある。

了「ベッド買い替えなきゃかこれ」

優「いいっていいって、私立大だしお金かかるでしょ」

了の家は父の退職金が大量に出て、学費には余裕があった。

優の家は自営業だ。いわゆる「八百屋」というものである。

地域に密着した商売で、駐車場もあり、繁盛している。

学費も心配ないと言えた。

それでもあえて優がシングルベッドでいいと言ったのは、

了にセクハラしやすいからである。

優「了って男子校卒なんでしょ?」

了「そうだけど」

優「…童貞?」

了「…………はい…」

了が恥ずかしそうにうつむいて答える。

耳まで真っ赤だ。

優「私も処女だよ」

了「うええ!?モテそうなのに!?」

優「実際モテたけど、了みたいに好みの相手がいなかったのよ」

了「オレみたいなのそうそういないと思うぞ…」

優「私はラッキーガールね」

優はウインクして見せた。

こうして了と優は同居を始めた。

結婚を前提に付き合っていることも公表した。

優は了に言ったとおり、スタイルのいい優と結婚することになった

了へのやっかみでセクハラしようとする輩を片っ端から締め落とした。

理由がなんであろうと了にセクハラしようとする人間は締め落とした。

しかし。

アパートで優は毎晩のように了をもみくちゃにした。

お互いの処女童貞喪失はそう遠くなかった。

優「さあ、今日はどんな鳴き声を聞かせてくれるのかな…??」

介助生物プロジェクト

優と了は大学の頃から、礼英の卵子精子バンクに登録していた。

少しでも研究の役に立てば、ということらしい。

それがまさか、こんな形で実現しようとは…

(国際医療福祉機関礼英 最終医科学研究所内305号室)

完「…………ペグ」

ペグ、と呼ばれたその「生物」は、ベッドから起き上がると

人懐こそうな笑みを浮かべて、立ち上がって完にすり寄った。

ペグは、人間(優と了)と柴犬とパグ犬の掛け合わせで生まれた

「介助生物」である。

体毛はふさふさしており、服は必要ない。

すでに二足歩行も可能なこの生物は、介助目的で開発された。

最終医科学研究所…医療に必要なことはなんでもやる。

それこそ、新しい生物を生み出すことになろうと。

柴犬のあごの形状では人語の発話が難しいため、

パグ犬の遺伝子を組み込むことでそれを可能にした。

見かけは愛嬌のある柴パグ犬といったところか。

耳はぴんと立っており、ここに柴犬の遺伝子が生きている。

完「誠くんをよろしくね」

ペグ「がってんしょうちでい」

ペグは単性生殖だ。誠が成長しても、生きられる。

もちろん、それはペグが望めばの話だが。

今は子豚ほどの大きさだが、どこまで大きくなるのかはまだ未知数。

人間で言うと3歳児くらいの大きさだ。

だが、歩行はしっかりしていて、小学校高学年くらいの知能を持つ。

ペグは試用の域を出ていない。

生態はある程度わかっているものの、成長後どうなるかがわからない。

ペグが病気になった際の治療は礼英で行われる。

ペグはこの後、育児休暇をとっている了と優の元に向かうことになる。

(某県郊外のマンション 803号室)

完は襟を正し、呼び鈴を鳴らした。

誠「だあーう」

優「はーい、どちらさ…あら、お兄さん」

了「今開けるね」

優と了はまっさきに完の足元の生物に目をつけた。

優「この子は?」

了「お父さん!お父さんだ!!」

完「僕もそう思ったんだよ、そっくりだってね」

ペグのその風貌は、完と了の父親である一にそっくりだったのだ。

ペグ「ま、第二のお父さんだとでも思ってもらえれば」

優「しゃべったああああああああああああああ!!!!!」

了「なんだこいつ!!!」

ペグ「なんだこいつとは失礼な…」

ペグは前髪をかきあげるかのように自分の耳をなでると

ペグ「僕はペグ。君たち家族の介助に来たんだ」

と自己紹介をした。

優「介助…?介助犬…じゃない人間じゃない…なに!?なんなの!?」

完「人間と柴犬とパグ犬を掛け合わせた生物だよ」

了「ちょっと待った、その人間の遺伝子どこから持ってきた」

完「了と優ちゃん」

了「ならよし」

優「ならよしなの!?この子…ペグって何食べて生きるの!?」

ペグ「ああ…そういえばお腹空いた…人間が食べるものなら大抵は…」

了「あがってあがって!オレ何か作るから!」

了はぱたぱたとキッチンに向かった。

優「お兄さん…どういうことなんですか…?」

完「話すと長いんだけど、最終での介助生物の開発がけっこう前から始まっててね」

優「介助せいぶつ…?犬とかはきいたことありますけど」

完「遺伝子を組み替えて、犬と人間をかけあわせるんだ」

優「倫理的にどうなんですかそれ…」

完「…わからない。でも、結果的に君たちの役に立てればいいと思ってる」

誠「ぺー、ぺg…」

ペグは誠の頭をその手でなでた。

手の甲には毛があるが、手のひらには毛は生えていない。

手のひらはほぼ人間そのものと言えた。

人間の体に毛皮を着せて、柴犬とパグ犬を掛け合わせた頭部を

乗せたような恰好だ。

ペグ「おーよしよし、僕がわかるんだね?」

誠「ぺg…だぁーう」

優「まあ、誠が気に入ったならよし!」

完「ただし、1か月に1回レポートを提出してもらうことになるんだけど…」

優「お安い御用!!それでその…」

了「チャーハンできたよ~」

タイミングが良いのか悪いのか、了が作ったチャーハンが出来上がった。

了「それではみんなそろっていただきます」

優「ネギ入ってないよね?」

完「ああ、犬はネギはダメだもんね」

了「入れるわけないだろ!!玉ねぎもネギも入ってません!!」

ペグ「入れてくれてもよかったのに…」

完「それは本当に大丈夫なの?」

ペグ「本当に大丈夫。いただきます!」

ペグは人間と全く同じようにスプーンで勢いよくチャーハンを平らげ

ペグ「ごちそうさまでした!」

完「早食いは早死にするよ」

ペグ「精進します…」

誠「ぐー」

ペグ「さあ、その前に『ペ』をつけてごらん」

誠「ぐー、ぺg…あうー」

ペグ「惜しいんだよなあ…」

了「それで兄さん」

完「何?」

了「こちらのペグさん、おいくら万円?」

完「それさっき言おうと思ってたところ」

夫妻はごくり…と唾をのみ込んだ。

完「もともと遺伝子はふたりから提供されてるし、

月に一回の詳細なレポートだけでいいよ」

了「マジか!?」

完「ただし本当に詳細に書かなきゃいけないんだけど」

完はバッグから冊子を取り出した。

冊子には『介護生物観察利用レポート』と書いてある。

完「ここに毎日ペグと誠くんの様子を記入してもらう」

優「なになに?体温、生活記録、その他…1日1ページ?」

了「サボったらどうなんのこれ」

優「病気になったらどうするのこの子」

完「レポートはサボってもいいけど、今後の研究資料になるから

  できるだけ正確にね。ペグの治療は礼英でやるから」

了「サボってもいいって言っていいのかそれ…」

完「健康であれば1日くらいサボっても問題ないっていう程度だよ」

優「なんか夏休みの宿題みたいだけどペグが相手なら面白そう~」

ペグ「なんか僕のこと夏休みの自由研究のアサガオか何かみたいに

   思ってない??っていうか何か匂わない?」

誠「あ゛ーーーーーーーーーーーー」

優「あーあー」

優が誠のオムツを替える。

優「さっすがペグ、鼻が利くわね」

了「犬と人間のハーフだからな」

完「まあ、乱暴な言い方をすればそうだね」

ペグ「それはそうと…えーと、お父さん?パパ?了?」

了「お父さん顔の犬みたいな生物にお父さんって言われるのもちょっと

  だけど人間でもないのに了って言われるのもちょっと」

ペグ「どうしろと!?」

優「私も困る…なんて呼んでもらおうかな…」

ペグ「誠くんは誠くん?誠?まーくん?」

誠「ぺg…ぺ…ぺぎょるふ」

完・了・優「ぺぎょるふwwwwwww」

ペグ「認めない!認めないからな!!」

誠「ぺぎょるふ、ぺぎょるふ」

誠は満足そうだ。

完「正式名称も決まったことだし」

ペグ「決まってない!」

完「じゃあ何?」

了・優「ぺぎょるふww」

ペグ「こーーーらーーー!!!」

了「あっはは、なんかお父さんに怒られてるみたいで懐かしいんだけど」

完「僕も…」

完は、ペグの体臭に覚えがあった。

父のそれとそっくりだ。

高校時代に了に快楽を強いて得た、あの感覚が嗅覚をくすぐる。

それが常時ペグの体から発せられているのだ。

ペグ「さっき言いかけたことだけど」

優「何?」

ペグ「了から僕と似たような匂いがする」

了「え!?オレ犬くさい!?」

ペグ「犬じゃない!!」

完「うん、間違いなくするよ」

了「マジで!?遺伝かなあ」

優「いつもの了と変わらないと思うけど、了のお父さんって

  こんな匂いなんだ」

優がペグの首元に鼻を寄せて匂いを嗅ぐ。

ペグ「くすぐったいんだけどw」

優「うん、悪くない匂いだ、気に入った」

了「まさかオレの体質まで受け継いでないだろうな…」

完「そのまさかなんだよね…」

ペグは、性的に非常に敏感である。

まだ年齢がそれほどでもないため、今はくすぐったいで済んでいるが。

了「ペグ…同情するぜ…」

ペグ「え、なに?体質ってどういうこと?」

完「ペグ」

完がペグを抱き寄せて、ペグの首元で深呼吸する。

ペグ「うっははははは!!何すんねん!!」

完「えっと…充電」

了「ぺぎょるふはどこで日本語を教わったんだ…」

以降、ぺぎょるふ(愛称ペグ)は介助生物として

中畑家に迎え入れられることになる。