某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

二宮和春の春

「私に全身脂肪注入と顔面整形とセックスしてください!!」

医療機関礼英 最終医科学研究所 資料室)

二宮和春(かずはる)は憔悴していた。

頬はやせこけ、肩を落として歩く姿は見るに堪えない物があった。

卯月「どうしたの二宮先生、なにかあったの?」

二宮「派手に失恋しました…」

卯月「あちゃー、精神科行く?最終の」

二宮「いいです…このくらい…立ち直れます…」

完「そうは見えないけどね」

二人の間に完が割って入ったため、卯月は「あとはまかせた」とでも

言うように完に二宮を任せて去って行った。

完「失恋ね…ロッソさん?」

二宮「お前ホワイトデーなんだから第三食堂にいたんだろ?」

完「ホワイトデーなんだから休んでたよ草餅さんと一緒に」

二宮「なあ…矢野に彼女ができたの知ってるか?」

完「え、誰?看護師?医師?それとも患者さん…?」

二宮「絶世の美魔女、藤井礼子だよ。あれで53歳だとよ」

完「ええ!?28歳くらいかと思ってた!!」

二宮「しー……大声出すなよ患者たちがびっくりするだろ?」

完「へえ~矢野にそんな人ができたんだ…前から知り合いだったの?」

二宮「頼むから今はオレの心配をしてくれ…」

二宮は完に抱きついた。

完「二宮は背が高いから僕の胸じゃなくて肩くらいしか貸せないけど、

ここなら誰も見てないから泣きたかったら泣きなよ…」

二宮「ううっ…お前も結婚して優しくなったんだなあ…

   入所した頃は氷のように冷たかったのに…」

二宮は完を抱きしめて声を殺して涙を流した。

二宮「なあ…マウスとラットどっちがいいと思う…?」

完「あの二人だけはやめておいたほうがいいと思うよ…?

  性格も悪そうだし、何より二宮の好みの体形じゃないでしょ」

二宮「こうなりゃお前でもいい…誰かと一緒に寝たい…」

完「そんなことしたら浮気を疑われちゃうよ…あ、でも

  草餅さんそういうネタ喜ぶかも…

  ちょっと待って、草餅さんに電話してみる」

完はPHSを取り出すと、鈴に電話をかけた。

完「もしもし草餅さん?今傷心の二宮が僕を抱き枕にして

  寝たいって言ってるんですが」

鈴「ええ!?えっとそれは…二宮先生はうさぎさんに

  恋をしているんですか!?」

完「違います。失恋したショックで僕でもいいから添い寝して

  欲しいと言っているだけです」

二宮が完からPHSを奪い取る。

とはいえ完も拒絶はしなかったので他人から見たら

普通に渡したように見えただろう。

二宮「柏木さん…中畑をオレに貸してください…」

鈴「私から奪い取らなければいいですよ。でも…その…

  (超小声で)お尻の穴におちんちんは入れないでくださいね…

  私にはついていない物なので、それで完さんが

  二宮先生のテクにとりこになったら始末に負えないので…」

二宮「安心してください…抱いて寝るだけです…

   ちょうど今日当直なんで、一緒に寝ます…」

完「狭いよあのベッド、シングルだよ?」

二宮「オレとお前なら細いからなんとかなるだろ…ってことで

   じゃあ今夜そちらの旦那さんお借りしますね…」

鈴「はい、やさしくしてあげてくださいね」

二宮「やさしくします…」

通話が切れた。

柏崎「に~の~み~や~~~~~~!!」

二宮「うわあっ!?」

柏崎「オレも散々中畑のこと抱きしめたけど、添い寝とは

   聞き捨てならねえなああん!?」

完「柏崎…僕のこと抱き枕にしたいほど傷心してたの?」

柏崎「あの頃はな…お前の体形がうらやましくて」

二宮「チビのほうがいいって、何があったん?」

柏崎「オレの元カノがチビでチビな男好きでさ…

オレみたいなでかマッチョは苦手だったみたいで」

二宮「あ~……それで中畑ね~」

完「暑苦しいもんね柏崎」

柏崎「うるせえ!今は紺野…ちがった、雪さんがいるからいいんだ!」

二宮「あ~慣れねえ~~紺野さんのこと柏崎さんって呼ぶのほんと

   慣れねえ、こ…柏崎さんってなっちゃう」

完「わかる…僕はひと呼吸おいてから呼ぶようにしてるよ」

矢野「みんなそろって何?密談?」

二宮「矢野おおおお!!!オレに隠れてあんなマブいスケ…!!」

やの が あらわれた !

完「傷心の二宮が今日の当直で僕を抱き枕にしたいって」

二宮「わー!わーーーー!!!!」

矢野「男抱きしめるほど傷心してんのか…まあ無理もないな…

   熱烈ゾッコンLOVEだったもんなロッソさんに」

二宮「今その名前聞きたくない…」

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(夜 医療機関礼英 最終医科学研究所 当直室)

二宮はシングルベッドに腰かけた。

二宮「壁側譲ってやるよ、オレの運動神経なら受け身取れるから

   落ちても大丈夫」

完「運動音痴で悪かったね」

完は逆上がりができない。

球技も壊滅的な腕前だった。

だから高校の体育のバスケットボールでは司令塔に甘んじていたのだ。

だが、運動能力は標準なみにあった。

徒競走で1位を獲ったこともあった。

ただ、受け身となると自信がなかった。

幸い、鈴とシングルベッドで寝ていて壁側を鈴に譲った際は

一度も落ちなかったのだが。

二宮「へへへ~、中畑あったかいな~~キスしていい?」

完「ダメ。手の甲に軽くなら許すけど」

二人でベッドに入れば、そこは温暖な楽園と化す。

二宮「人肌のぬくもりっていいよな~~

   独身は仕事忙しくて風俗行ってる暇あったら寝てたかったから

   もう何年くらい人と抱き合ってないんだろ…」

二宮は完の手をとり、手の甲に触れるだけの口づけを落とした。

完「ぎゅーーーーーーーーーー!!!!!」

おさむ は にのみや を おもいっきり だきしめた !

二宮「ああ…痺れる…もっとやって………」

完「ぎゅーーーーーーーーーーーー!!!!!

  ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

  ぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

  はあ、はあ…もういい?」

二宮「おつかれ。お返しにぎゅーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

完「あ…は……っん………」

二宮「変な声出すなよ、興奮するだろ?アナル奪うぞ?」

完「アナルって何?」

二宮「ケツの穴のことだよ!!ほんっとモノしらねぇなお前!!」

完「だって肛門としか習わなかったし…あ、そういえば

  草餅さんが貸してくれた本に書いてあったの忘れてた」

二宮は完のパジャマ越しに両方の乳首を探り当てた。

そっと指先で摩擦する。

完「あっははははやめてくすぐったい!!」

二宮「くすぐったい?キモチイイの間違いだろ?」

完「ほんとくすぐったいやめてやめて!!」

今度は二宮は完の脇の下に手を差し入れた。

二宮「こちょこちょこちょこちょwww」

完「あっ!やめっ、ちょ…はあっ!」

二宮「こっちが感じるのかよ…お前ヘンな体してんなあ

   何かの病気なんじゃないのか?」

完「うーん…礼英の人間ドック行っても異常なしだったんだよね

  草餅さんに心配されて行ったんだけどさ」

二宮「…にしても、中畑なかなかソソる声出すじゃん

   草餅さん大興奮じゃね?」

おさむ は まっかに なって しまった !

二宮「たまんね~かわい~~マジ癒されるわ~~」

完のPHSが鳴る。

完「はい」

鈴「あの…お楽しみ中のところ申し訳ないんですが、

  二宮先生に折り入って相談したいことがあるという

  看護師がいるんです…」

完「二宮に?かわりますね」

二宮「はい、もしも…」

花音「私に脂肪注入と顔面整形とセックスしてください!!」

二宮「え!?すいませんもう一回言ってください!!」

花音「だ、だから…私に全身脂肪注入と顔面整形と…

   せ、セックス…してください…」

二宮はあまりのことに呆然とした。

花音「あの、きいてます…?」

二宮「手術はいいですが、その、セックスっていうのは…

   失礼ですがお名前は…?」

花音「桜埼花音です」

二宮「面識ないですよね…?????」

花音「私が一方的に見てました…ロッソさんとのことも…全部…

   セックスしてくれるだけでいいんです!でも私ブスだし

   体もすごくやせっぽちで全然魅力ないし…」

鈴「あっでも笑顔がとっても素敵なんですよ!!」

花音「か…中畑さん…」

二宮「なら顔はいじらなくてもいいじゃないですか

   ブスだってなんだってセックスはできます

   脂肪はついていたほうがオレの好みですが」

花音「二宮先生の隣にいて、恥ずかしくない顔になりたいんです!!」

二宮「ずっと笑顔でいれば恥ずかしいことなんてありません!!

   ちょっとオレ今日当直なんで、明日かあさってにでも

   第3食堂行きますから!!」

花音「でも…二宮先生の手で、二宮先生の好みの顔にして欲しいんです…」

二宮「話の続きは第三食堂かどこかひとけのない場所で!

   眠らなきゃいけないんで、通話切りますね?」

花音「脂肪注入のほうは、してもらえるんでしょうか?」

二宮「それはします。ヒト由来の脂肪を注入しましょう」

花音「本当ですか!?ありがとうございます!!」

二宮「それではそちらもおやすみなさい」

花音「おやすみなさい、良い夢を!」

通話が切れた。

完「名前、なんて?」

二宮「さくらざき かのんだとよ、どんな字かはわからないけど」

完「本当に全然知らない人?」

二宮「本人いわくやせっぽちらしいからオレの目に入らなかったんじゃ

   ねえかな」

完「よかったね、その…二宮のしたいことができる相手ができて」

二宮「今でも信じられねえよ…」

完「きっとさくらざきさん、ホワイトデーの光景見てたんじゃないの?」

二宮「オレのことはずっと見てたって言ってた」

完「じゃあ、ロッソさんに名刺受け取ってもらえなかったことも

  バレンタインデーのことも全部見られてたんだね」

二宮「オレ恥ずかしい~!!」

二宮は狭いベッドでじたばた悶えた。

完「ちょっと、落ちるよ!?」

二宮「大丈夫落ち着いた。ひっひっふー、ひっひっふー」

完「いい子だから和春、もう寝なさい」

二宮「完…」

完「名前で呼び合うの気色悪いね」

二宮「なんかくすぐったいな」

完「腕枕してあげようか?ちょっとだけ」

二宮「脇の下がら空きになるぞ」

完「じゃあやめる」

二宮「オレがしてやるよ、ほら」

完「ああ~、二宮の腕、意外と筋肉質なんだね…気持ちいい…」

二宮「ダンスは腕も使うからな」

完「二宮はポコポコ動画に投稿したりしないの?」

二宮「たまに長瀬とコラボして手術衣で踊るな」

完「え、その関係まだ続いてたの!?」

二宮「公園で撮ったりしてるぜ?撮影はマカポー」

完「今度見てみるよ」

二宮「しっかし長瀬の野郎の関節は…どうなってん…だろうな…」

完「ふふ…おやすみ、和春…」

その日は急患もなく、二人は朝まで腕枕をしたままぐっすり眠った。

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(翌日昼 某県郊外 さくらグリーンパーク)

川沿いの公園は広い。

一面芝生に覆われ、八重桜の並木が良い天気の元で満開に咲いている。

ふたりは八重桜の下のベンチで、弁当を広げていた。

仕事は二人とも休みをとった。

リア充フラグに寛容な礼英である。

花音「作ってきたんですよ、オブラートアートの

   『転生したらドワーフだった件』のデコ弁

   お口に合えばいいのですが…」

二宮「あっそれ知ってる!このドワーフがドジでかわいいんだよね!

   あっ…タメ口OKですか?」

花音「大丈夫です!全然気にしません!」

二宮「この卵焼き美味しい~~!!あっオレ味付けのり大好きなんだよね」

花音「二宮先生、短い間に随分痩せましたね…」

二宮「ホワイトデーの日以降はさすがに朝は食べてたけど昼も夕も食べられずに

   夜公園でノリのいい曲でぶっ倒れるくらい踊ってたからかな…

   実際ぶっ倒れて救急車で運ばれて病院に泊まって栄養点滴とかザラにあった」

花音「無茶しちゃ駄目です!ちゃんと食べてください!はい、あ~ん」

二宮「あ~ん…んん~!この唐揚げスパイシーで美味しい~!」

花音「牛乳ありますよ、辛い物苦手だったら大変なので」

二宮「別に辛いものは苦手じゃないけど牛乳もらおうかな」

花音「H道の実家から送ってもらった牛乳なんです。北国ですよ」

二宮「花音さんも敬語つかわなくていいよ…牛乳うめー!コクがある!!」

花音「オブアート…自信ないんですが…」

二宮「すっごい上手だね!そっくりだよこのころんとした目つきとか!」

花音「専用の食用ペンで描きました。写し絵じゃなくて、見ながら」

二宮「すげ~尊敬する…オレダンスしかできないから…」

花音「二宮先生と青木先生のコラボ動画、毎回必ず見てましたよ!!

   コメントもいっぱいつけました!

   ポコレポにも登録してたんで更新すぐにわかりましたし」

二宮「だからタメ口でいいって。ありがと!オレ、かっこよく踊れてた?」

花音「それはもちろん!うはwwwwおkwwwwって感じで!!」

二宮「それはどっちかというと長瀬…先生寄りのコメントじゃない?」

花音「普通にかっこいい!とかもいれまし…入れた!」

二宮「よくできました。あ、このごはん美味しい~ほんのりあったかくて甘い…

   なんか、米の味が濃い。うまくいえないけど、ダシが効いてるっていうか」

花音「だしなんていれてま…入れてないよ?

   それは某県産のモチヒカリ米ですね。もち米じゃないんですけど」

二宮「たしかにモチモチしてる…あ~、このお弁当毎日食べたい」

花音「いいですよ!毎日作ってきますね!あ、また敬語出ちゃった…」

二宮「しょうがないよ、長年のクセだもん。ところで花音ちゃんっていくつ?」

花音「24歳です…いくつに見えました?」

二宮「ん~、トシがわからないな…いわゆる年齢不詳ってやつだ。

   っていうか、そんなにブスじゃないじゃん。

   まぶたが一重で鼻が少し大きくて

   歯が少し出ててちょっとエラが張ってるだけで」

花音「ちょっとどころじゃないですよ!唇からはみ出してるんですよ!?

   おかげで小中学校では出っ歯ブスっていじめられて…」

二宮「ええ!?そんなに笑顔が素敵なのにいじめられてたの!?」

花音「いじめるのは男の子ばっかりでしたけどね。女の子とはうまく

   やってました」

二宮「ほらまた敬語~、抜けないならそのままでもいいよ?」

花音「ありがとうございます。敬語のほうが気が楽です」

二宮「牛乳もっとない?喉渇いちゃって」

花音「たっくさんありますよ!どんどん飲んじゃってください!」

二宮「どんだけ持ってきてたの!?重くなかった?

   そんなに痩せてるんじゃ力もないんじゃ…」

花音「確かに私は非力ですが、リュックで背負ってきたのでマシでした」

二宮「全部出してみ?」

花音「はい。全部で4リットルあります」

二宮「余ったの持って帰っていい?っていうか一緒に住んでいい?

   オレんち自慢じゃないけど広いよ。マンションだけど。

   片付いてるし、花音ちゃんの趣味の物も十分置けると思う」

花音「同人誌とコスプレ衣装が大量にあるんですけど…」

二宮「花音ちゃんコスプレすんの!?見せて!?」

花音「今日は写真持ってきてないんで…メイクでかなり化けてます」

二宮「WIREで送って!これID」

二宮は自分のスマホを操作すると、トークアプリのバーコードを差し出した。

花音「私WIREやってないんです…今から導入しますね!」

花音はアプリストアにアクセスし、無事にWIREを導入し、

二宮を友達登録した。

二宮「恋人専用アプリなんかもあるよね。そっちにする?」

花音「えっ…」

二宮「付き合い始めた記念日とか、思い出写真とか動画とか、

   交換日記とかいろいろできるよ?」

花音「あの…恋人…私…その…(超小声で二宮の耳元で)セックス

   (戻る)できるだけでよかったんですけど…」

二宮「結婚してください」

花音「ええ!?今日会ったばかりですよ!?昨日の夜電話して…」

二宮「じゃあ、結婚を前提にお付き合いしてください」

花音「いいんですか…こんな私で…ガリガリの…私で…」

二宮「脂肪注入なら任せてください。タダでやらせていただきます」

花音「私けっこう貯金あるんですよ?」

二宮「オレが出します。いずれ結婚すればお金は共有財産です」

花音「私…部屋すぐ散らかしちゃうんです…」

二宮「オレが片づけるから大丈夫だって!片付いてる部屋好きなの

   ダンスもできるしね。今度絶対コスプレ生で見せてよ?」

花音「はい!今度コスプレイベントがあるので、転ドワのエルフの

   コスプレします!カメラマンとして一緒に来てください!

   そうだ二宮先生もコスプレしましょうよ!

   恋人役のエルフの恰好とか、似合いそうです!」

二宮「コスプレかあ~、大学でナース服着たくらいで

   ぜんっぜんしたことないや…あとは長瀬…先生と

   手術衣…あれはコスプレっていわないか仕事着だ」

花音「一緒にイベント出ましょう!きっと人気者になれますよ~!

   二宮先生元からイケメンだし!

   あ、私専属のカメコがいたんですけど解約しますね!」

二宮「かめこ…?」

花音「カメラマンです。プロなんですよ~

   男性で独身なので、私狙われたら大変なので…

   コスプレすると本当に化けるんで…」

二宮「オレが守るから大丈夫だよ」

花音「その人柔道経験者なんです…」

二宮「うーん…暴力に訴えられたら勝ち目ないな…

   でも会場内でそんなことしたら即出禁でしょ?

   大丈夫なんじゃない?」

花音「それもそうですよね」

二宮「オレも写真勉強しようかな…オレの手で花音ちゃんを撮りたい

   コスプレじゃなくて、普段の花音ちゃんも

   いま撮っていい?デジカメ持ってきてるんだ」

花音「ダメです!!二宮先生のカメラに汚物が残っちゃう!!」

二宮「汚物って…じゃあとびっきりの笑顔で一枚だけ!ね?お願い!!」

花音「仕方ないですね…本当に1枚だけですよ?」

二宮「おっけー!」

二宮は非常にコンパクトなコンパクトデジタルカメラを取り出し

花音の笑顔をどアップで撮った。

そしてデジタルカメラのプレビュー画面で花音に見せる。

二宮「ほら、お化粧してるせいもあって、肌も綺麗だしいいじゃない」

花音「今度はコスプレ写真撮ってくださいね!」

二宮「寒くなってきたね…大丈夫?」

花音「はい…かなり寒いです…」

二宮「かなり!?言ってくれれば上着貸したのに!!」

花音「話すのに夢中で忘れてたんですけど、言われてみるとかなり寒いです」

二宮「これ着て!オレは大丈夫だから!駐車場までけっこうあるから

   二人で走っていけばあったまるよ!」

花音「はい!」

花音は全力疾走した!!

二宮「ちょ…花音ちゃん速い!!君は風のようだ!!」

二宮も必死で追いつく。

二人は二宮のスポーツカータイプの電気自動車に乗り込むと、

ほっと息をついた。

二宮「車の中はあったかいから助かった…」

花音「暑い~!!上着もういいです、ありがとうございました」

二宮「冷房入れる?」

花音「いえ、脱いだらちょうどよくなりました」

二宮「オレんち行こう?ここから近いよ」

花音「夢のようです~!楽しみです~!!」

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(某県郊外のマンション 201号室)

花音「おじゃましま…わあ~~いきなり広い~~!」

二宮「そこのソファにでも座ってて。何か飲む?」

花音「あ、私さっきの牛乳持ってきました!」

二宮「ホットミルクにしようか」

花音「そうですね」

二宮は牛乳を小鍋に入れてIHヒーターにかけた。

すぐに牛乳は熱々のホットミルクになった。

二宮「オレ、あっためた牛乳に皮が張るの好きなんだよね」

花音「わかりみ…牛乳湯葉美味しいですよね」

二宮と花音はホットミルクにクチをつけた。

二宮・花音「あちっ!!!」

牛乳は沸騰してすぐの物だった。

二宮「ハモったwww」

花音「www ちょっとこれ冷ましましょう…」

二宮「氷入れます?あ、牛乳を入れればいいのか」

花音「私やります!なみなみ~~」

二宮「対流で冷たいのが下に行くからスプーンいらず」

花音「はちみつも持ってきました!」

二宮「どんだけ用意いいの!?入れよう入れよう」

花音はほどよい温度になったホットミルクに

たっぷりとはちみつを入れた。

二宮「これはスプーン必要だな…」

花音「入れ過ぎました?」

二宮「いや、たまには甘いものも欲しいからいいよ」

二宮はキッチンからスプーンを持ってくると、

真っ白なマグカップに入ったふたつのホットミルクを

ゆっくりとかきまぜた。

二宮「それで本題なんですが…」

花音「はい?」

二宮「脂肪提供者に心当たりがあります」

花音「誰ですか!?まさか宮越さん!?」

宮越千尋というのがロッソの本名である。

二宮「あてられた…」

花音「痩せたがってたし、二宮先生の愛した宮越さんの脂肪を

   移植してもらえるなんて、嬉しいです!!」

二宮「憎まれるかと思って、内緒にしようとしてたところだったのに…

   それじゃあロッソさんの脂肪抽出もタダでやろう

   ただしオレがやるっていう条件つきで」

花音「私、身長160cmで35kgしかないんです…」

二宮「生理はちゃんとある?」

花音「あります!それは大丈夫です!小食ですが栄養のある物を

   食べるようにしてるので!大豆とか卵とかお肉とか!」

二宮「太りたいなら甘いものオススメだよ」

花音「あまりにも甘いのは苦手で…このホットミルクなら

   なんとか飲めそうですけど」

二宮「とにかく炭水化物をとることだね。甘さひかえめの

   ビスケットとかでもいいから。もちろんお肉は脂身たっぷりで」

花音「私、お肉の脂身苦手で…」

二宮「いいお店知ってるよ。たっぷりの脂身でもすっきり食べられるとこ」

花音「今度連れて行ってください!」

二宮「じゃあ今日の夕食はそこにしよっか」

花音「今から運転疲れません?材料さえあるなら私作りますよ?」

二宮「マジで!?今は豆腐とひき肉とパン粉と冷凍ブロッコリー

   マッシュルームと低脂肪乳と玉子と…あと何があったっけなあ

   ごはんは炊かないとないや」

花音「じゃあお豆腐ハンバーグでも作りましょうか?」

二宮「またヘルシーな…肉100%で作ろうよ」

花音「二宮先生がそう言うなら…」

二宮「じゃあごはん炊いちゃうね 早炊き~」

二宮は米を研ぐと、炊飯器に定量の水を入れ、炊飯器を早炊きにセットした。

二宮「IHヒーターの使い方わかる?」

花音「わかりません…火加減とか教えてもらえますか?」

二宮「うん。タイマーとかもでき…あ、玉ねぎがない」

花音「マッシュルーム刻んで入れましょう」

二人でキッチンに立ち、花音はハンバーグの下ごしらえをし、

二宮はそれを見ていた。

二宮「いい包丁さばき!」

花音「あの…恋人同士アプリ、楽しみにしてます…」

二宮「あ、アプリで写真撮ろうっと。今日は付き合い始め+ハンバーグ

   記念日~~ ああ!!」

花音「どうしました!?」

二宮「お弁当美味しすぎて写真撮り忘れた…!!一生の不覚…!!」

花音「私撮ってありますよ!大丈夫です!」

二宮「じゃあラブシーク(恋人同士アプリ)にアップしておいて!」

花音「ハンバーグ作ったらアップしますね!」

花音はボウルに牛豚合い挽き肉を入れ、刻んだマッシュルームと

塩、あらびき胡椒、ナツメグを適量入れ、こねた。

二宮「オレ、肉さわるときは手袋するんすよ」

花音「そうなんですか?確かに汚れとか匂いとかつきますもんね」

二宮「手を洗うのが面倒でww」

花音「ww わかりますww でもついつい素手でやっちゃうんですよね」

二宮「オレ形整えるの手伝うよ」

二宮はキッチンの横の廊下の棚から使い捨てのビニール手袋を取り出すと

両手にはめて、ハンバーグのタネを両手でぽんぽんと手のひらに

叩きつけ始めた。

花音「上手!」

二宮「サンキュ!これでも料理歴長いから。うちの中畑と違って」

花音「中畑先生…ああ、柏木さんとご結婚された方ですか」

二宮「あいつ玲央併願卒でさ」

花音「ええ!?超高学歴じゃないですか!!」

二宮「父親治そうとしてたらしい。死んじまったがな…」

花音「情技の中畑先生のお父様ですよね、何度かお目にしたことがあります

   小説とか書くんですよ!けっこう、面白かったです。

   確かアニメ化したんじゃなかったかな…不思議の花嫁…」

二宮「マジか!!それはノーマークだった!!

   っていうか小説書いてるのも知らなかった!!」

花音は二人でこねたハンバーグを、オリーブ油をひいた

フライパンの上に置くと、

花音「えっと…スイッチは…」

二宮「メインの電源は右」

花音「あった!これですね!で、スイッチは…これか!」

花音はIHヒーターを強火でセットした。

花音「まずは焼き目を付けます」

二宮「ハンバーグは焼き目が命!ソースどうする?」

花音「ケチャップとウスターソースかとんかつソースがあれば作れますよ」

二宮「ケチャップと…あちゃ~ソースは切らしてるな…

   マヨネーズならあるけど」

花音「オーロラソースのハンバーグ…新しいですね、食べたことないです」

二宮「オレもないな…なんかちょっと怖いな…」

花音「大根とかってあります?」

二宮「大根ならあるよ」

花音「ポン酢は?」

二宮「あ、おろしポン酢っていうのがある」

花音「じゃあそれにしましょう」

話しているうちに、ハンバーグに焼き目がついた。

それを花音がフライ返しでひっくり返し、フライパンに押し付ける。

花音「弱めの中火にして、ふたをしてじっくり5分くらい焼きます」

二宮「じゃあその間に長瀬…先生に電話しちゃおう」

花音「なんて電話するんですか?」

二宮「ロッソさんの脂肪吸引の約束をとりつけに」

二宮はキッチンに立ったまま、ポケットからスマホを取り出し

今は情技にいる長瀬に電話をかけた。

(某県郊外 医療機関礼英 情技ナースセンター)

長瀬「もしもし?どなたですか?」

二宮「あ、礼音(れおん)?そっちにロッソさんいる?」

長瀬「いますよ、今日は一緒に夜勤です」

二宮「代わって、脂肪吸引タダでやってあげるって言って」

長瀬「ロッソ、二宮先生が脂肪吸引タダでやってあげるって言ってるよ?」

ロッソ「もしもし二宮先生!?マジですか!?嘘つきませんか!?」

二宮「私が施術するという条件つきですがそれでもよければ」

ロッソ「全身麻酔とかしませんよね?」

二宮「しませんよwwちょうど貴女の脂肪が欲しいという人がいるので」

ロッソ「え、誰ですか?」

二宮「情技の桜埼花音さんです」

ロッソ「あ~…確かにかなり痩せてますもんね彼女」

二宮「それで条件のほうよろしいですか?」

ロッソ「是非ぜひ!!でも、お高いんでしょう?」

二宮「費用はこちらで持ちます。でも事情が事情なんで

   礼英ならタダにしてもらえそうですが」

ロッソ「事情?」

二宮「秘密です。それで日取りは…」

ロッソ「私明日休み取ります!!一気にいっちゃってください!!」

二宮「一度にとれる脂肪の量は3000~4000ccぐらいが平均的な量だと言われています」

ロッソ「なんだ…一気に劇痩せできるわけじゃないんだ…」

二宮「最低でも1ヶ月以上の間隔を空けて手術します」

ロッソ「1ヵ月以上…待ち遠しい…」

二宮「まあ礼英なら一気に取っても体に負担のかからない技術を

   開発済みですけどね」

ロッソ「それなら一気にお願いします!!

    ワタスを標準体型にしてください!!

    なんなら胸から取ってもいいですよ!!」

二宮「胸は残しておきましょうよ…」

ロッソ「肩が凝るんですよ…かわいいブラもないし…」

二宮「何カップくらい残れば満足ですか?」

ロッソ「Cくらいでいいです…」

二宮「もったいない…いえ!なんでもありません!!」

ロッソ「手術中にセクハラ発言したらはったおしますからそのおつもりで」

二宮「動いたらあぶないですよ!!もちろんそんなことしません!!」

ロッソ「あと、セクハラ的な視線を投げかけるのもやめてください」

二宮「吸引中は時間まで助手に任せてその場にいないので安心してください」

ロッソ「わかりました。それじゃあ明日!」

二宮「はい」

花音「ハンバーグできましたよ~~」

ロッソ「その声は花音たん!?どうしてそこに!?っていうか今ドコ!?」

二宮「オレんちです。ハンバーグ冷めるので切りますね」

ロッソ「ちょま…!!」

通話が切れた。

ロッソ「花音たん…二宮先生は危険だ…!!」

長瀬「ひょっとして脂肪注入されたがってるのって花音たんだったりして」

ロッソ「あり得る…二宮先生に好かれようとして…??

    でもそんな話聞いたことなかった…」

長瀬「二宮先生、露骨にロッソに気があるそぶり見せてたっていうか

   猛アタックしてたもんね。ロッソに話す気はなかったんじゃない?」

ロッソ「ああ…心配だ…!!」

長瀬「和春いいヤツだよ。ポコ動にコラボする動画喜んで協力してくれるし

   高級なビデオカメラ買ってくれるし帰りに劇ウマなメシ作ってくれるし」

ロッソ「名前で呼び合ってるんですか!?」

長瀬「そうだよ、和春、礼音って。オレもタメ口。トシ近いしね」

ロッソ「玉の輿に乗っておくべきだったか…!!

    でも私は青木先生のほうが好きなんだ…!!!」

(某県郊外のマンション 201号室 ダイニング)

二宮「いただきます!ん~!うま~~!!これタレなくてもいけるかも」

花音「私はいつもタレとかソースは無しで作ってますね」

二宮「そうだ写真とらなきゃ、ラブシークラブシーク」

二宮はスマホを取り出すとラブシークを起動し、ハンバーグの写真を撮った。

ちぎりレタスにカットしたトマト、ブロッコリーも皿に載っていて

非常に彩りのいい食事になった。

スープは昨日の残り物のキャベツのコンソメスープである。

花音「スープも美味しいですね!ちょっと薄味で」

二宮「血圧気になるからさ」

花音「え、異常値なんですか!?」

二宮「いや異常値じゃないけど、高血圧にはなりたくないから」

花音「血圧は標準値ですか?」

二宮「上128、下87」

花音「正常!(ぐっ)」

二宮「花音ちゃん…」

花音「なんです…なあに?」

二宮「キスしたい」

花音「ん~……」

花音は身を乗り出し、二宮の目の前で唇を尖らせた。

二宮「ん…」

二宮はそこに甘い口づけを落とす。

花音の歯列に舌を割り込ませ、花音のそれと絡める。

ディープキスは30秒ほど続き、二人の顔が離れた。

二宮「うん、ハンバーグの味」

花音「私の口の中無味無臭wwww」

二宮「全部吸い取っちゃった。ごめんねてへぺろ

花音「セックス…したい…」

二宮「一緒にお風呂入ろう?そこそこ広いようちのお風呂

   ラブホほどじゃないけど、二人で並んで浸かれるよ

   半身浴もできるしね」

花音「入浴介助させてください!!でも…私の体貧相で…

   見られるの恥ずかしい…あそこの締まりには自信があるんですけど…」

二宮「あるんだ?あ、お風呂…昨日の夜の追い炊きじゃダメ?」

花音「いいですよ!二宮先生のエキスが入ったお湯…飲んじゃおうっと…」

二宮「入浴剤入ってるよ!?」

花音「どんな入浴剤ですか?」

二宮「K湯の素」

花音「じゃあ大丈夫ですよ、温泉の水って飲んでも害ないし」

二宮「説明書見てくる」

花音「一緒に行きます!行く!」

二人は洗面所へ向かった。

清潔感のある洗面台は綺麗に整頓されていて、花音は好感を持った。

二宮「うん、飲んでも大丈夫って書いてある」

花音「あっ……」

二宮「どうしたの?」

花音「この洗顔フォーム、私のこといじめてた男の子と同じ…」

二宮「変えよう」

花音「でも、気に入ってるんでしょ?」

二宮「いや、最近香りに飽きてきてるんだよね。せっかくだから変えよう」

花音「うちの実家、無添加の石鹸作ってるんです…石鹸作ってるんだ~

   送ってもらおっか?」

二宮「おっ、いいねえ!あとオレのことは和春って呼んで」

花音「和春、無添加石鹸はいいぞ」

二宮「それってブラック会社であった怖い話の進堂だよね?」

花音「ご存じでし…知ってたの!?」

二宮「ポコポコ動画でプレイ動画見てハマって買った。

   あれ蝋人形の話が怖いんだよね」

花音「そうそう!蝋人形に魂を吹き込もうとしてる人がいて~」

二宮「オレは進堂が無添加石鹸の素晴らしさをとうとうと語ってるのが

   怖かったな。添加物の恐ろしさとかやけに詳しいんだよ」

給湯器「お風呂が沸きました」

花音「キエエエエエシャベッタアアアアアア!!!」

二宮「今どき当たり前じゃない?お風呂行こ!脱いで脱いで!」

花音「あっ…泊まることまでは考えてなかったから明日の服持ってない…」

二宮「そこのドラム式洗濯機に放り込んじゃえ、それで乾燥までやっちゃおう」

花音「洗濯ネットあります?」

二宮「あ、ない。オレネットに入れる必要のある服着ないんだ…」

花音「じゃあ、ブラは洗えませんね…ホックがついてるから

   他の洗濯物に引っかかっちゃう…」

二宮「今日そんなに汗かいた?」

花音「全力疾走したときにわりと汗かきましたね…」

二宮「っていうかその胸でブラしてたんだ…」

まな板だった。その上あばら骨がくっきり浮き出ている。

二宮「こんなに痩せて…患者でもひどい拒食症の人いたけど

   思い出すな…何食べても吐いちゃって…

   舌切り取って他人の舌移植したんだよね…

   フランス国籍の女性の舌をさ…

   それからなんでも美味しく食べられるようになって、

   今はどうしてるんだろ、とにかく標準体型までにはなったよ」

花音「そんなことがあったんだ…」

二宮「その人にそっくりだよ、花音ちゃんの体」

花音「和春…抱いてくれる?」

二宮「当たり前!!さあ!!湯船に浸かろう!!」

二人は股間を洗い流すと、並んで湯船に肩まで浸かった。

花音「ブラどうしよう…」

二宮「24時間やってるポンキで買おうか」

花音「私アンダーバストが小さすぎてポンキにもサイズがなくて…」

二宮「うーん困ったな、水着はさすがに持ってきてないよね?」

花音「ありません…」

二宮「ブラキャミは?」

花音「その手があった!!でも…胸が足りないかも…」

二宮「じゃあ補正下着とかは?」

花音「その手があった!!あれなら窮屈だし、ブラとして代用できる!」

二宮「ひょっとしてブラないとどうしても落ち着かない派?

   あ、体洗って~~」

花音「タオルどこですか?」

二宮「あ、オレ全身スポンジで洗うの」

二宮は浴槽を出て、洗い場の椅子に腰かけた。

続いて花音も浴槽を出る。

花音「腕柔らかいんですね~ 私背中はタオルじゃないと洗えません…」

二宮「引っ越しておいでよ、これから毎日…あ!洗面所のスマホ取って!」

花音「私の?それとも和春の?」

二宮「どっちでもいいよオレのロックかかってないから。

   初一緒にお風呂記念写真ラブシークにアップしようよ」

花音「そのつもりで私もスマホ持ってきました!!

   あっまた敬語出ちゃった 和春って華奢だね」

二宮「そうなんだよね、肩幅なくて。うちの柏崎と違って」

花音「結婚式素敵だったぁ~!じゃ、背中洗うね

   どこかかゆいところある?」

二宮「ワインボトルのクラッカーは傑作だったけどなww

   うーん、背骨に沿って真ん中がかゆいからちょっと強めにやって」

花音「このスポンジ、なんかゴワゴワしてて硬い…」

二宮「本当は風呂洗うスポンジなんだけど、そっちのほうが気持ちよくてさ

   垢も落ちるし」

花音「ダメだよ~ ちゃんと人肌用のやつ使わないと…」

二宮「近くに売ってなかったんだよ人肌用の硬いやつ」

花音「背骨ごしごし…こんな感じ?」

二宮「けっこう力あるじゃん、非力とか言ってたけど」

花音「えへへ、入浴介助には自信あるんだ~~」

二宮「じゃあその調子で全身くまなく洗ってもらおうかな」

かのん は にのみや の ぜんしん を ねんいり に あらった !!

二宮「はふ~~気持ちよかった!!」

花音「じゃ、お湯で流しますね~シャワーの方がいいですか?」

二宮「完全にお仕事モードwww」

花音「ごめんごめんwwついww」

二宮「お風呂のお湯減っちゃうからシャワーの方がいいかな」

花音「シャワーこれですか?えーと…」

二宮「このレバーを後ろに倒すの」

花音「あっこれか!しゃわわ~~」

花音は二宮の全身をシャワーで洗い流していく。

適温のシャワーは二宮の疲れを癒した。

二宮「冷えちゃった?いったん浸かる?」

花音「ううん、このお風呂の中ていうか洗い場?あったかいね」

二宮「暖房入ってるからね」

花音「ハイテク~!」

二宮「じゃあ花音ちゃんのことも洗ってあげるよ」

にのみや は かのん の ぜんしん を ねんいり に あらった !!

花音「はふ~♥ヒトに洗ってもらうのってこんなに気持ちいいんですね~」

二宮「素がでちゃってるよwwいいけどwww」

花音「このままシャンプーしちゃいますか!えっとシャンプーは…」

二宮「オレ女性向けのシャンプー使ってんのww香りがいいからww」

花音「あ、これイエースイエースの…香りがいいんだよね?

   使ってみたい!洗髪介助入りま~す!」

かのん は にのみや の かみ と とうひ を ねんいり に あらった !!

二宮「はふ~、やっぱプロは違うわ~」

花音「しゃわわ~~」

二宮「あ~~~~~」

花音「髪は自分で洗うから和春は浸かってていいよ」

二宮「いや、オレにはその髪を洗う義務がある!!」

花音「長いよ?それに多いよ??」

二宮「大丈夫だ、問題ない

にのみや は かのん の かみ と とうひ を ねんいり に あらった !!

花音「はふ~、リラクゼーション効果ばっちり~~香りもいいし~~」

二宮「でしょ?このフローラルハーブの香り、気に入ってるんだ~」

二宮は花音の髪と頭をシャワーで洗い流した。

二宮「さて…上がってセックスでもしようか?」

花音「は…うん…和春…やさしくしてね…?」

二宮「ひょっとして初めてとか…」

花音「う…うん…////////////モテなかったの私……」

二宮「マジか!!処女とか最高じゃんいただきます!!」

花音「和春のことだから、処女とかめんどくさいとか言うと思ってた…」

二宮「オレの評価どうなのwwwww」

かくして二人は、はちみつたっぷりのホットミルクのようなひと時を過ごし、

翌朝二宮の車で出勤することになる。