某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

有頂天高原旅行記 その3

鈴「ひゃー!」

完「うわわわわ」

(有頂天高原ハイランドパーク ジェットコースター)

ジェットコースターを降りた二人は、

肩で息をしていた。

完「け、けっこう、スリルありましたね…」

鈴「楽しかったです!」

園内はやはり閑散としていて、客は少ないようだった。

完「これだけすいてると乗りたい放題ですね」

鈴「次はバイキング行きましょう!」

絶叫マシンにばかり乗りたがる鈴だった。

鈴「あの、大丈夫ですか?」

完「すみません、ちょっと酔ってしまって…

  ソフトクリームでも食べればなんとか」

鈴「買ってきます!」

完は近くのベンチに腰掛けて鈴を待った。

完(情けないなあ…)

まだセミのなく9月下旬。

有頂天高原の自然は豊かで、

遊園地の中でさえセミの鳴き声が聞こえてくる。

鈴「お待たせしましたぁー!」

鈴がふたりぶんのソフトクリームを手にやってきた。

鈴「ジャージー牛ソフトクリームだそうですよ!」

完「それは濃厚ですね」

鈴「ご存じなんですか?」

完「よく食べたものです。お代はあとで…いただきます」

冷えたソフトクリームは、完の体調をいやしてくれる。

鈴「このくらいおごらせてくださいよー」

完「400円を笑う者は400円に泣くんですよ」

鈴「いえ、うさぎさんが具合悪くなったの

  私のせいですから…おごらせてください」

それもそうだった。乗り物の選択が悪かったのだ。

完「それじゃ…お言葉に甘えまして…

  おいしいですねこれ」

鈴「昨日食べたソフトより濃厚です!」

ふたりでひとしきりソフトクリームに夢中。

鈴「猫さん」

ソフトクリーム彫刻である。

完「写真撮りましょうか」

鈴「はい!」

ソフトクリームの猫は完のカメラに収まった。

鈴はソフトクリームをなめる完に見とれていた。

鈴(うさぎさんのフェラ画像…)

鈴はそっとカメラを構えていた。

完「えっ、なんですか?」

鈴「そのままソフトクリーム食べててください」

完「変なところ撮りたがるんですね…」

完は素直に従った。

鈴はあらゆる角度から完を撮りまくった。

完「そ、そんなに撮らなくても…」

鈴「うさぎさんがおいしそうなのでうれしくてつい」

半分は本当だが、半分はウソである。

鈴(妄想画像ゲット!!)

鈴は隠れてガッツポーズした。

完「次は酔わないところに行きたいです」

鈴「じゃあ…お化け屋敷とか…」

完「お化け怖くないんですか?」

鈴「怖いですけどせっかく来たんだし!」

完「そうですね、せっかくですから行きましょうか」

ふたりでお化け屋敷に入る。

完「足元気をつけてくださいね」

鈴「はい…あ、あの」

完「はい?」

鈴「手…つないでもいいですか?」

完「どうぞ」

井戸から幽霊がでてくる。

完「こんにちはー」

鈴「作りモノですよねこれ」

完「うーん、どうもお粗末ですね」

いまひとつ盛り上がらないお化け屋敷である。

鈴「うわっ」

足元がいきなりやわらかくなった。

その拍子に鈴は完に抱きついた。

鈴「すすすみません」

完「大丈夫です。きっと死体でもふませてるつもりなんでしょう」

鈴「イヤなこといわないでくださいよ~」

今度は棺の中からドラキュラが出てきた。

完「こんにちはー」

鈴「こんにちはー」

ドラキュラ「血~を~よ~こ~せ~」

ドラキュラは棺から出て二人におそいかかった。

鈴「きゃあああああ!!」

完「逃げましょう!」

ふたりは一目散に逃げ出した。

その後も幽霊や化け物に追い回される。

鈴「どうなってるんですかこれー!」

完「し、進化してますね明らかに」

お化け屋敷から出る頃には二人とも息を切らしていた。

完「次は何かに追い回されないところに行きましょう」

鈴「そうですね…あ!メリーゴーランド!」

鈴は意気揚々と馬車に乗り込んだ。

完「馬には乗らないんですか?」

鈴「こっちに乗るのがあこがれだったんです」

完「じゃあ、向かい側に失礼して…」

ブザーが鳴ると、メリーゴーランドは回りだした。

鈴「うさぎさんはい、チーズ!」

完はピースサインを出した。

完「草餅さんもはい、チーズ」

鈴はダブルピースを出した。

鈴「本当にフェイスブロックに載せないでくださいね…」

完「載せませんよ。大丈夫です」

鈴「上下に動かないから酔わなくて済みますね」

完「あの馬の上下動くらいなら大丈夫ですよきっと」

ふたりはメリーゴーランドを降りると、

園内を散歩し始めた。

鈴「あっ、射的があります!」

完「やってみますか」

係員「5玉300円だよ~」

完「ふたりで10玉でお願いします」

係員「はい、ここにコルク詰めてね」

係員は銃口を指さした。

鈴「よーし」

完「草餅さん、撃鉄を引かないと打てませんよ」

鈴「あう」

完「のび太くんみたいに当ててみたいですね」

完は両肘を台について構えた。

その戦果は。

係員「はい、お嬢ちゃんあたり~

   賞品のシャボン玉セットだよ」

鈴「わあい!うさぎさん、私やりました!」

完「よかったですね。僕は全部はずしました」

それでもにこにこと鈴の喜ぶ様を見ている完。

完「あ、もうこんな時間…」

鈴「お宿ですか?」

完「今夜は山奥のペンションなので時間がかかります」

鈴「ペンション!?」

鈴は心躍った。

完「ここも十分山奥ですが、さらに奥になるので

  もうそろそろ向かいましょう」

鈴「はい!」

(有頂天高原 ペンション 森のキツツキ)

オーナー「いらっしゃいませ、冷たいお飲物はいかがですか?」

完「アイスティーで」

鈴「お、同じく」

オーナー「かしこまりました」

ポーター「お荷物お運びします」:

完「お願いします」

一週間分の服が入っているので当然ふたりとも

トランクになってしまっていた。

部屋はツインで、窓の外は鬱蒼としげる森。

鳥のさえずりが聞こえる。

荷物を置いてベッドに腰掛けていると、

オーナー「お飲物をお持ちしました」

オーナー自らアイスティーを二つ持ってきた。

オーナー「夕食は19時からです」

完「わかりました」

鈴は座りながらベッドをなでていた。

ツインのベッド。

今日は別々に眠るのだろうか。

しかし、ツインとはいえひとつのベッドが

セミダブルくらいの大きさがある。

それゆえ、部屋が少し狭く感じられた。

完「コンタクトレンズはずしてきますね」

鈴「あ、はい」

鈴(そういえば眼鏡のうさぎさん撮ってないな…)

完「終わりました」

鈴「はい、チーズ!」

完「え?」

また間の抜けた顔で写ってしまう完だった。

完「どうしたんですか急に」

鈴「眼鏡のうさぎさんを撮り忘れていたので」

完「心の準備ができてる時に撮ってください…」

鈴「心の準備できました?」

完「ええ、まあ一応…」

完はベッドに腰掛けた。

鈴「いきますよー、はい、チーズ」

完ははにかんだ笑顔を浮かべた。

鈴(かわいいいいいいいいいいいい)

デジカメのプレビュー画面でニヤニヤする鈴だった。

完「そんな変な顔で写ってますか?」

鈴「とてもいい顔で写ってますよほら!」

完「わ…なんだか恥ずかしそうに写ってますね」

鈴(そこがいいのだ!)

鈴「私もコンタクトはずしてきます」

完「カメラ持って待ってます」

鈴「持たなくていいです!」

鈴が洗面所でコンタクトレンズをはずしている間に

完はショルダーバッグからデジカメを取り出していた。

鈴「終わりましたー」

完「はい、どうぞ座ってください」

鈴「撮る気満々じゃないですかー!」

完「二人しかいないので二人そろった写真がとれませんね」

鈴「それもそうですね」

完「はい、チーズ!」

鈴「はい!?」

完「冗談です。ポーズ決めてからにしましょう」

鈴はピースサインを出した。

少し上目遣いになってしまうのは、恥ずかしさからか。

完「はい、チーズ」

かくして眼鏡姿のふたりがお互いのカメラに収まった。

完「撮られたら撮りかえす…何かのゲームみたいですね」

鈴「負けませんよ!」

ペンションの夕食は多国籍というか無国籍というか、

説明のつけようがない料理だった。

一応オーナーから説明はあったものの

覚えきれるものでもなかった。

鈴「これ…なんて名前でしたっけ」

完「気にしないで頂きましょう」

鈴「そうですね」

鈴が「あ」と口を開いた。

鈴「カメラ持ってくるのわすれました…」

完「あ、僕は持ってきましたよ」

料理の写真を撮る完。

完「あとで送りますね」

鈴「お願いします!」

夕食を満喫したふたりは、部屋に戻ってきた。

鈴「ツインなんですね…」

隣の部屋から話し声が聞こえる。テレビの音だろうか。

完「ここ壁薄いんですかね…」

鈴「テレビのボリュームが大きいのかもしれませんよ」

ほどなくして話し声が聞こえなくなる。

完「草餅さんの読みが当たったみたいですね」

鈴「よかった…」

完「それじゃ、シャワー浴びてきちゃいましょうか」

ユニットバスなので二人同時には入れない。

髪が乾くのが遅い鈴が先に入ることになった。

ペンションには備え付けのパジャマなどはない。

それぞれ持参したパジャマを着ることになった。

鈴はこの日のためにパジャマを新調していた。

なぜなら、この季節はTシャツとパンツのみで寝ていたからである。

これが私のパジャマだ、と主張できればよかったのだが

そういうわけにもいかなかった。

恥ずかしかったのである。

一方、完といえばシルクのパジャマに身を包んでいた。

完「かわいらしいパジャマですね」

鈴「えへへ…そうですか?」

完「写真、撮ってもいいですか?」

鈴「ええっ!?」

完「撮らせてください」

撮り撮られ。

鈴「うさ…おさ…むさん」

完「は、はい」

鈴「一緒に寝てもいいですか…?」

完「…は、はい…」

鈴は完のベッドに腰掛けた。

どちらからともなくキスをする。

そのままベッドに倒れ込む。

今夜は鈴は受け身に徹した。

しかし、完がなかなか仕掛けてこない。

鈴「あの…完さん」

完「はい」

鈴「キスしていいですか」

完「ど…どうぞ…」

瞳を閉じた完の唇を奪い、犯し、なぶる。

完「どうしてそう…激しいんですか?」

鈴「す、好きだからです…すみません…」

完は鈴の太股をなでさすった。

ふたりとも横向きに寝ているので、

太股の脇側をなでることになる。

完「草餅さん」

鈴「はい」

完「腹筋運動しましょうか」

鈴「ここまできてそれですかーorz」

完「冗談です。もっと言うと、照れ隠しです」

鈴「キスがしたいです」

完「どうぞ…」

鈴「目、閉じてもらっていいですか?」

完「やさしくしてくださいね?」

鈴「はい…すみません」

鈴は完にやさしくキスをした。

しかし、その深さはさきほどと変わりなかった。

完「は…はあ…ぼくはもうらめれす…」

ダメです、の呂律がまわらない完だった。

そんな完の手が鈴の胸元にのびる。

鈴「あ…」

完「おかえしですよ」

鈴はノーブラだった。

なので、目的地をめざすのは容易だった。

完はパジャマの上から鈴の乳首をさぐりあて…

鈴「あ…んっ」

鈴を仰向けにし、布越しに両手で乳首をくすぐった。

これはよく弟にしていた行為である。

鈴「あふっ…ぅん…、完、さん……」

完(男も女もかわらないんだな…)

完は鈴の首筋に顔を埋めた。

完(いい匂い…)

両手を動かしつつ、完は鈴の首筋にすいついた。

鈴「あっ…はあっ、あんん…」

鈴(うさぎさんお上手だよぉ…おとといまで童貞とは思えないよ…)

完「実は僕はものすごい甘えん坊なんです」

鈴「え?」

完「でも、いい年して父や母に甘えられないので…その…弟に…」

鈴「え!?」

完「高校ぐらいの時ですよ?」

鈴(BLの旬じゃないかーーーー!!!!!!)

鈴「え、そ、それでどこまでやったんですか」

完「今したところまでです」

鈴「え…」

完「あ、キスはしていません」

鈴「ですよね、ですよね!」

完「こうやってくすぐりあって…」

鈴「あ……完さん……」

完「僕はそのうち眠ってしまうんです」

鈴「弟さんと一緒に…?」

完「はい。弟はあの体質ですから大変なことに…」

鈴「あ…そういえばそうでしたね…」

完「逆に僕もくすぐられたりして…大変でした」

鈴「お互い弱点は知られてますからね…」

完「だから上半身は得意なんです」

鈴「あう、完さん、あっ…そこばっかり…んっ」

完「痛いですか?」

鈴「きもちいい、です…んっ」

お互い一枚も脱いでいないのに

鈴はできあがりつつあった。

鈴「わ…私もしたいです…」

完「ダメです。今日はおとなしくしていてください」

鈴(ダメ出しされたー!)

鈴「私そんなにヘタクソでしたか!?」

完「お上手すぎるからダメです。調子が狂います」

完は眼鏡をはずしていなかった。

鈴(鬼畜眼鏡!!)

完は鈴のパジャマのボタンに手をかけた。

鈴の素肌があらわになる。

さきほどからいじられつづけて鈴の乳首は敏感になっていた。

そこに吸い付かれる。

鈴「あっ、あんっ、完さんそんな…、そんなにしちゃ…」

完は半分童心に返っていた。

左の乳首を手のひらでなでまわし、

右の乳首に乳幼児のように吸い付く。

完「邪魔ですねこれ」

完は眼鏡をはずし、ベッドサイドに置いた。

鈴(ああ、鬼畜じゃなくなった…)

ほっとしたのもつかの間。

煌々と電気のついた室内で

完は布団をはぎとって隣のベッドに置いてしまった。

鈴「ど、どうしたんですか」

完「布団があると見えませんから、ここ」

鈴「ひゃいっ」

完が鈴の股間に触れた。

もちろんパジャマ越しである。

完「腰…あげてもらってもいいですか」

鈴「は…はい…」

完は鈴が腰を上げると、鈴のパジャマを下着ごと奪い去った。

鈴「丸見えじゃないですかー」

完「何かいけませんか?」

鈴「やっぱり恥ずかしいです…」

完は一枚も脱いでいなかった。

鈴「不公平!不公平です!!」

鈴は完のパジャマのズボンを下ろそうとした。

が、完は鈴の両手を押さえつけた。

鈴(すごい力…全然かなわない…)

完はその細身からは想像もつかないくらい力強かった。

完「今度イタズラしようとしたらお仕置きしますよ」

鈴(うさぎさんのお仕置き!)

鈴「お仕置きってちなみにどんな…」

完「腹筋50回です」

鈴(色気ない!!)

鈴は落胆した。

完「それとももっと恥ずかしいのがいいですか?

  おしりぺんぺんとか」

鈴「どうぞ…ぺんぺんしてください…」

鈴がうつぶせになった。

完「…冗談です」

完は鈴の尻をなでた。

そのままするりと濡れた秘部に指を這わせる。

鈴「ひゃう!」

鈴の腰が跳ねた。

完「やっぱり仰向けに…」

完が鈴の体勢を変えようとする。

鈴は完と目が合うたび、少しも衣服に乱れのない完を見てしまう。

鈴「やっぱり不公平です~」

鈴は枕に顔を埋め、仰向けになるのを拒んだ。

完「昨日僕の浴衣を滅茶苦茶にしておいて

  下着以外全然脱がなかった人が何を言いますか」

鈴「そこ根に持ってるんですか!?」

完「持ちますよ、初めてだったのに…

  ものすごく恥ずかしかったんですから」

鈴「恥らううさぎさんがかわいくてですね…」

完「やっぱりお仕置きですね」

完は強引に鈴を仰向けにすると、激しいキスをした。

鈴「んっ………ん…………」

鈴は完のされるがままに貪られた。

完「はあっ……とにかくこっちにもキスするんです…」

完は鈴の秘部に指を這わせると、そのまま顔を寄せた。

指で開き、目的の肉芽に舌を這わせる。

鈴「あうっ、ひああ…完さん、完さあぁん……」

もはや鈴になすすべはなかった。

指で舌で犯され、何もかもどうでもよくなってくる。

完「……おいしいです」

耳元で囁かれる。

鈴の蜜を味わった完の口から発せられる言葉に

鈴は羞恥を抑えられなかった。

鈴「もう…入れてください…我慢できません…」

鈴は懇願した。

完「僕も我慢できません…鈴さん…あの……」

鈴「はい…ご用意します……」

コンドームをつけるのは鈴の役目だった。

鈴がバッグの中からコンドームを探す間に

完はパジャマと下着を脱ぎ捨てていた。

鈴「やっと脱いでくれましたね…」

鈴はコンドームをつける前に、

完のしたたりに舌を這わせた。

完「ん……」

完が身をよじると、鈴は興奮に襲われた。

コンドームの封を切ると、手早くかぶせる。

鈴「入れて…ください…」

自ら脚を開き、両手で太股を支える。

これほど扇情的な格好もない。

完は鈴の入り口を自らの先端で探り当て、侵入する。

完「…ふ………っ」

鈴「ああ…あ………」

完は鈴の中で、まるで泳ぐかのようにゆらゆらと揺れた。

鈴を抱きしめたまま、快感の波にただよう。

完「気持ちいい…です……」

鈴「私も……」

森の湖畔に浮かぶボートのように完は揺れ続けた。

快感の波が押しては引いて、

いつまででもこうしていられそうだった。

完「ずっとこのままこうしていたいです…」

鈴「完さん……」

揺れる完の動きに合わせて、鈴は完を締め付けた。

完「っ…鈴、さん…」

鈴「は…、あ…、んっ、ん…」

やがて鈴も腰を動かし始めた。

より深く繋がったふたりは、互いに限界へと近づいていった。

鈴「はあっ、はあ…あ…ああ…」

完「すみません、もう…ん…ッ」

完の腰ががくんと跳ねた。

鈴「完さん…好きにしてください…」

完「鈴さん……!」

完はそれまでのゆらめきとは打って変わって、

激しく腰を打ちつけ始めた。

鈴「あっ!ああぅ、完さ…あ!」

完「鈴さん…鈴、さん…ん…!」

完は鈴の絶頂と同時に精を放った。

鈴の内側で完が脈打つ。

鈴「完さん……」

完「…はい」

鈴「もうすこしこのまま…」

完「はい…」

ふたりは呼吸が整うまで繋がりあった。

やがて離れると、脱ぎ捨てたパジャマを着る。

完「こうしたかったんです」

鈴「え?」

完「最後の日に…こうしたかったんです」

鈴「ごめんなさいごめんなさい…」

鈴は完の夢をぶちこわしたことに頭を抱えた。

完「いいんです。楽しみが増えましたから」

完は鈴の乳房を軽くつついた。

完「したかったことにかわりはありませんから」

完は正直に言って、鈴の乳房を手で丸く包んだ。

鈴「すいません私…狼女で……」

完「かまいませんよ狼でも……鈴さんなら……」

完は眠りについた。

鈴はその寝顔をいつまでも見ていた。

やがて鈴も眠りについた。

旅はまだ続くのだった。