恋(?)のお悩み相談室
【夜 某県郊外のマンション 803号室 寝室】
了「おっぱいおっぱい」
優「このおっぱい星人め」
了「おっぱいぽいんぽいん」
優「おっぱいぽいんぽいんなのー?」
ベッドの上。
了は寝る前に優のEカップの胸に甘えていた。
了「ぎゅー…」
抱きしめた妻の肢体の弾力性に浸る。
優「ぎゅーwwwww」
了「うぐっぐぐぐ ギブ!ギブ!」
優が了を容赦なく抱き締めると、了はすぐに音をあげた。
翌日に了が仕事を控えている日の夜は、
こうしてのんびりと触れ合っている。
しかしイタズラは発生する。
優「おっぱいおっぱいww」
了「あう////」
優「さっきのお返しじゃーww さわさわ」
了「あ…ダメ……////」
携帯電話の着信音。
了「兄さんからだ…っちょ、やめ…///」
優「このまま電話に出ろ」
了「無理っ…!」
鳴り続ける携帯電話。
了「もっ…もしも、…しっ……!」
完「あの、大丈夫?」
了「んっ!ちょ、ちょっと嫁が…あっ…!」
完「ご///ごめん/////切るね///////」
了「待っ…!」
切れた通話。
了「よーめーぇぇええええ ><」
優「あれ?もう良かったの?」
了「良くない!兄さんが勘違いして電話切っちゃったよ!」
優「あっれーどんな勘違いされたのかなーwww」
了「とにかくこっちからかけなおす…」
了は着信履歴から発信したが、
了「兄さんごめ…あっ…///」
優によるイタズラは発生するのだった。
完「あの///取り込んでるみたいだから///」
了「ちがっ…ぁ…大丈夫っ…だから…ぁあっ…////」
完「大丈夫そうに聞こえないから////////」
了「よ、嫁ちょっと、通話、妨害やめっ…///」
完「その、メールするから////」
了「あっ…」
再び兄によって切られた通話。
了「嫁えぇえええええええorz」
優「いいじゃんお兄さんだし」
了「良くなーい!今の兄さんは草餅さんと発展するか否かの瀬戸際なんだからっ」
ほどなくして、今度はメールの着信音が鳴る。
了「きっと兄さんからだ…」
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差出人:中畑 完
件名:よくわからない
本文:
草餅さんに「友達になりたい」と言われたけど
僕がバレンタインデーにもらったのは本命チョコなの?
だから草餅さんにとって僕は恋愛対象なの?
友達なの?親友なの?何なの?どうすればいいの?
一週間、旅行しようって誘われているけど
どこに行ったらいいか全然決まらない
どこに行ったらいいかな?
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了はがっくりとうなだれた。
了「よくわからないどころか、全くわかってない…」
優「なになに?…え?ちょwww」
優がメールの文面をのぞき込んでいた。
優「バレンタインデーに手作りのチョコケーキもらった時点で気付こうよww」
了「オレもそう思う…」
了は世間の義理チョコ文化を大いに恨んだ。
優「お兄さんダメだね。これ鈴ちゃんからどんどん押さないと」
了「うーん…嫁はともかく、柏木さんだからなあ…」
優「了から言えば?押しまくれって」
了「い、いや、その、なんというか」
大学時代から優に押され押し倒されてきた了は、
せめて完が恋愛の主導権を持って欲しいと思っている。
…と、この妻の前で言えるはずもなく。
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差出人:中畑 了
件名:兄さんは?
本文:
兄さんは柏木さんのことどう思ってるの?
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すぐに返信されるメール。
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差出人:中畑 完
件名:Re:兄さんは?
本文:
好きだけど、友達として好きなのか
女性として好きなのか、よくわからない
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了「んああああー」
了がベッドの上でじたばたしている。
優「なにこの甘酸っぱいメールwww」
了「ちっとも甘くないいいいい」
優「いいじゃん、友達以上恋人未満でww」
了「そういう中途半端だと兄さんは多分…」
返信していないのにメールの着信音。
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送信者:中畑 完
件名:とりあえず
本文:
久しぶりに有頂天高原にでも行ってみる
草餅さんが行きたい所があればそこに行きたいけど
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了「県内とかー!!地味すぎー!!!」
優「有頂天高原で一週間何すんのwww」
了「…でも、あそこ意外といろいろあるから、時間かけてのんびり見て回るのもいいかもしれない…?」
有頂天高原には、確かにいろいろな物がある。
高原にちなんだレジャー施設の他に、
オルゴールの展示博物館や、見学できる菓子の工場、
なぜか巨大なアウトレットモール、当然のように温泉、
さらに北へ行けばロープウェイもあり、登山も楽しめる。
優「鈴ちゃんってどこ出身なの?」
了「確かQ都」
優「えー!もったいない…Q都に就職してればコミパラとか、同人イベント行き放題なのに」
了「確かに」
Q都は日本の首都。
コミパラはコミックパラダイムシフトの略称。
日本最大級の同人誌即売会である。
毎年、夏と冬にQ都臨海地区で開催される。
オタクが職員の9割を越えている情技では
開催日に休みが取れるかどうかが死活問題(?)とされている。
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送信者:中畑 了
件名:うん
本文:
一週間もあるんだし、柏木さんの行きたいところ優先で
兄さんが行きたい所にも行けばいいんじゃないかな
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了「あっ、しまった」
優「どうしたの?」
了「柏木さんも有頂天高原に行きたいって言ったらどうしよう」
優「気が合いますね、でいいんじゃないのww」
了「…それもそうか?」
優「でもさー、機関長と室長とっつかまえて、一週間お休みもらって有頂天高原行ってきましたって箔がつかないよねww」
了「それだけは言うな!」
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送信者:中畑 完
件名:ありがとう
本文:
そうします
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優「なぜ丁寧語ww」
了「わからんww」
【夜 某県郊外住宅地 中畑家 2F 完の自室】
完「…こんなのでいいのかなあ…」
最後のメールを送信した後、完は自問自答していた。
完「いっそハワイに行きたいとか言ってくれれば…」
金銭的にはいくらでも都合はつくのだ。
相手が希望を言ってくれれば大抵の望みは叶えられる。
だが、鈴は「旅行」としか書かなかった。
県内の高原だろうと南海の島だろうと
旅行は旅行である。
携帯電話の着信音。
完「…もしもし、もういいの?」
了「うん。あのさ、休みって9月の最後でしょ?」
完「そうだけど」
了「だったらその前に二人で何回かどこか出かけたら?」
完「え?」
了「だっていきなり二人で旅行じゃ敷居が高いでしょ?」
完「うん…どこに行ったらいいかわからないし」
了「近場で二人で遊びながら旅行の打ち合わせでもしたら?」
完「…それもそうだね。草餅さんと休みが合えばいいんだけど」
了「それは大丈夫」
完「え?」
了「い、いや、なんとかなるよきっと」
完「うん、ありがとう」
了「じゃあね」
終わる通話。
完(…優ちゃんとは一区切りついたのかな?//)
全く別のことを考えているのだった。