某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

それぞれのハートブレイク 二宮編

二宮「じゃあ、別れよっか」

__「えっ」

二宮「だってもうそれしかないじゃん」

【国立某医科大学院 カフェテリア】

大学院生・二宮のセリフは人目を全くはばからなかった。

対面に座っていた彼女はうろたえる。

__「待ってよ…もうちょっと何かないの…?」

二宮「何かって、たとえば?」

__「うちの系列の病院に来るとか、礼英に来てくれとか…」

二宮「オレが組織に縛られるの大嫌いだって知ってるでしょ」

__「礼英だって、立派な組織じゃない…」

二宮「違うね。__さんちの病院みたいに体制や法律に縛られないし」

__「どうしてそんな危ないところ行くの…?」

二宮「男のロマン☆」

__「茶化さないで!」

通りかかった学生が、何事かと振り返るくらいには

彼女の声は大きかった。

二宮「__んちは反礼英、オレは礼英志望。オレは進路を変える気はないし、__だってそうでしょ」

__「だからって…なんでそんな簡単に「じゃあ、別れよっか」って…」

二宮「少なくともオレは、お互いが「組織」に阻まれても__と一緒にいる覚悟でいたんだけどね」

__「えっ…」

二宮「__にはそこまでの覚悟がなかったってことが分かったから、もういいよ。別れよっか」

覆水盆に返らず。

完全論破だった。

__「待ってよ…」

二宮「ああ、そうだ」

__「え、なに?」

二宮「最後に一回だけ、えっちしよ」

__「////////////」

二宮「さっきの会話であんたの中身には 完 全 に 愛想が尽きたけど、そのカラダ だけ はオレの好み超どストライクのままだから」

__「ちょ、ちょっと、ここドコだと思ってるの!?ていうかさっきから何言ってるの!?」

二宮「あっれ?同じ学校なンだから知能指数同じだと思ってたんだけどな。じゃあもう一回言おっか。最後に一発ヤらせて」

__「……最低!!」

二宮「はいはい。ああ、それと最後にあとひとつだけ」

__「…なによ……」

二宮「少なくとも__にとってオレ以上に「イイ」男なんてそうそういないから。もしそんなのつかまえられたら即刻結婚迫りなよ」

__「どこまで自信過剰なのよ…///」

二宮「んー?どうしたの顔赤くして。ベッドの上では超かわいかったオレの 元彼女 さん?」

さよならバイバイまた明日。

そう言って席を立ち、去っていく二宮。

翌日には平然と「他人」として、顔を合わせるのだろう。

彼がそういうことのできる人間だということは、よくわかっていた。

彼女は後悔した。

本当に最後に一度、抱かれておけばよかったと。