某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

最終VS情技 中畑兄弟カップリング論争 第1回戦

【情技室内 ナースステーション】

ナースステーションでは、女性看護士が4名待機していた。

全員腐女子である。

青木「ちょっとごめんよー」

看護士達「あ、お疲れ様です」

青木がナースステーション内に入り込み、棚の中を物色し始めた。

看護士たちは青木に構わず話し続ける。

「絶対兄攻だってーw」

「弟の下克上もアリかもよ?ww」

「えー、ないないwwだってあの体質だもんww」

「受チートだよねwww」

青木はその話をBGMにして探し物をしていたが、

青木「あれー?オナホどこだっけ?」

見つからなかったので仕方なく話をさえぎった。

オナホというのは、別に特殊な医療器具でもなんでもない。

男性が性欲の自己処理に使う『大人のオモチャ』で、

大抵は筒型、先端が女性器を模したカタチをしている。

役割的にはメディア保管室にあるべきだが、

被験者の体に直接触れるため、ここに置かれている…はずである。

女性看護士があわてて青木に応じた。

「すいません、このまえ棚を整理したとき移動して…ここです」

青木「ありがとー」

青木は一通りオナホを物色すると 初心者向けのごく普通なモノを選び、

側に置かれている黒い巾着袋に入れた。

さすがにコレをむき出しで携行するわけにはいかないからだ。

青木(あの人オナホ初体験が情技でいいんかなあ…)

『あの人』とは、青木が担当している男性の聴覚補助被験者である。

情技での視聴覚娯楽生活で、成人向けを所望する人間は珍しくない。

それを鑑賞する際に、『一度でいいから使ってみたい』と言い出したのだ。

青木がすらっと『ありますよ』と言ってしまったため、こうなった。

「『好きでこんな体質になったんじゃないやああ!』ドサッ」

「あああww弟ブチキレたwwww」

青木「それどこの兄弟の話?」

青木は何の気なしに首を突っ込んだ。

「最終の中畑先生と情技の中畑先生です」

青木「なんぞw」

「どっちが攻で受かで盛り上がってたんです」

青木「本人に訊けばいいじゃん。情技のw」

「それじゃ情報が不十分ですよ~ ね、鈴」

柏木 鈴(かしわぎ りん)。情技の女性看護士のひとり。

身長159cm、黒髪のセミロングに近視眼鏡装備。

この4人の女性看護士はともに中畑完の『萌え仲間』だが、

鈴に限っては密かに完に恋愛感情を抱いている。

他の3人もそれを知っていて、鈴を応援しているのだが

鈴が消極的なせいで未だ完と会話もしたことがない。

たまに第3食堂に現れる完を遠巻きに見ているだけなのだ。

青木「じゃあ中畑のお兄さんが第3食堂に来た時に訊けば?」

「それだ!」

「それだ!」

「それだ!」

鈴「そ…それはどうなのかな…////」

青木「まあいいや。じゃ」

青木は物資を調達すると、ナースステーションを後にした。

【情技室内 技術開発室】

青木「中畑おつかれー」

了「おつかれー」

青木と了は同期で部門も同じ。席も隣同士だ。

青木「今日は爆死メール来てないの?」

了「そう毎回爆破されてたまるかっつーの…」

青木「で、この前は爆破されたの?」

了「されました…orz」

青木「ざまあwwwwwwwwww」

言いながら、青木はUSBメモリをノートPCに差し込む。

了「脳波?」

青木「うん。入ってきたばっかりの女の人」

了「あー、初期測定か」

青木「そゆこと。よいしょっと」

青木は脳波の波形データをノートPCに移すと、USBメモリを抜いた。

そして、波形データを専用の分析ソフトにかける。

青木「あとは待つだけの簡単なお仕事です」

了「もとから異常がなければいいな」

青木「そしたら多分オレの担当から外されるよ」

了「脳外科行きか…」

青木「あのさあ」

了「お?」

青木「中畑兄弟ってどっちが攻で受なの?」

了「`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!」

了は、食事中でなくてよかったと心底思った。

青木「どうなの?」

了「オレ既婚。終了」

青木「そんなンじゃ腐女子連中が納得しないって」

了「ああ!?あの人達今度はそんな話してんの!?」

青木「ナースステーションで聞いた」

了「もー…節操ないんだから…」

青木「ちなみにオレ達同期の中では中畑総受」

了「わかってるよ…orz」

了の体質は入所して以来、すでに周知の事実である。

青木「お兄さん今度いつ第3食堂に来ンの?」

了「さあ?来る時はその日の午前中にPHSにかけてくるけど」

青木「こっちから呼んだらダメなの?」

了「ダメってことはないだろうけど、なんで?」

青木「どうせだから本人同士で受攻決めればよくね?」

了「だからオレと兄さんはそういうんじゃないから…orz」

青木「それを腐女子の皆さんの御前で証明すればよろし」

了「しち面倒くさいからやだよ…」

青木はデータを分析にかけている間は暇である。

了は技術開発レポートを書いているところだった。

青木「合コンだと思ってさぁ」

了「だからオレ既婚…ああ…兄さんか」

青木「彼女いないんでしょ?まだ」

了「いないし、好きな人もいないっぽ」

青木「ならいいじゃん」

了「うん…いいかも。兄さん本気でいい加減彼女作ったほうがいいし」

本来の議題からはズレてきていたが、了は話に乗ってきた。

机上に置いたPHSを操作し、兄に発信する。

完『なに?』

了「今通話いい?」

完『いいけど』

了「あしたのお昼、第3食堂に来てくれない?」

完『いいよ』

了「それだけ。じゃ」

完『はい』

通話が終了した。

青木「用件のみにもほどがあるw」

了「だって合コンって言ったらきっと来てくれないよ」

青木「お兄さん草食系?見た目それっぽいけど」

了「…微生物系」

青木「なんぞwwww」

了「だって最終の看護士さんに対して微塵も恋愛感情わかないって…」

青木「あー、だって最終の看護士ってかなり優秀なんでしょ?」

了「らしいね」

青木「オレあんまり優秀すぎる女の人はちょっとな…なんか怖い」

了「ヘタしたらオレ達より遥かに優秀だもんな、確かに怖いわ」

青木「中畑の奥さん優秀じゃんww柔道とか空手とかww」

了「それを言うなああ!!」

【翌日午前 最終医研内 廊下】

完「二宮」

二宮「あい?」

完「今日僕第3食堂で食べるからみんなに言っておいて」

二宮「はいはいブラコンブラコン」

完「うるさいな…僕に気がねなく品性下劣な話でもしてれば?」

二宮「へーへー」

完の同期同僚の外科医・二宮(にのみや)は

軽く手を振って完と別れようとしたが

二宮「あ?鬼畜眼鏡で第3行くの?」

と、振り返った。

完「コンタクトレンズが上手く入らなかったんだよ」

完は銀縁の眼鏡をかけている。

その風貌は、もとから涼しい完の目元の外観温度を更に下げていた。

それ故に、完が眼鏡をかけると『鬼畜眼鏡』と呼ばれるのである。

【同時刻 情技内 ナースステーション】

了「おーい柏木さん」

鈴「はい?」

了「今日お昼に兄さん来るから、みんなで一緒に食べない?」

鈴「え!?」

了「オレと兄さんとでどっちが受か攻かはっきりさせようず?」

鈴「えwwwwちょwwww」

了「興味のある人なら他にも呼んでいいからよろしく」

了はそれだけ言って、持ち場に戻っていった。

鈴は、仲間3人に慌てて話をつけに行った。

【昼休み 第3食堂】

「中畑先生!」

鈴を含む看護士4人が了の側に寄って来る。

「メンバー4人揃いました」

了「4人か、ちょうどいいくらいかな」

「席順はこちらで決めさせていただきました」

了「へ?そっか。まあいいや任せた」

完「お待たせ」

了「ぶwwwwwww兄さんwwwwwww」

完「?」

了「わざとなの!?わざと眼鏡なの!?ねえww」

看護士(最終鬼畜眼鏡wwwwwwwwww)

完「今日に限ってコンタクトレンズ入らなくて。並ぼうよ。僕和食B」

了「じゃあオレも和食Bにしよっと oh…鯖の塩焼きうまそう」

看護士(ここは同じモノを頼むのが定石ですな)

鈴(最終の中畑先生って鯖の塩焼き好きなのかな…////)

席順は以下の図のようになった。

---------

A 完 C

B 了 鈴

---------

ABCは女性看護士である。

完(肩のこりそうな席順…)

女性二人に両サイドを固められ、完は若干緊張していた。

完「柏木さんと…あれ?名札は?」

B「看護士Bとお呼びください」

完「なにそれ…あれ?こっちの二人も名札は?」

A「Aとお呼び下さい」

C「Cとお呼び下さい」

了「wwwwwwwwwwww」

あからさまである。

しかし、ここで何も分からないのが中畑完なのだ。

完「ABCって、モルモットじゃあるまいし。名札がないんじゃ呼びようがないから、暫定的に名前つけさせてもらうから。Aさんはロッソ、Bさんはピアノ、Cさんはプリモ。柏木さんは、柏木さん」

3人「ぶっ!?wwwwwwww」

了「兄さんどこから出てくンのそのコードネーム!?ww」

完「簡単だよ。眼鏡のフレームが赤いからイタリア語で赤のロッソ、指が長くてピアノを弾くのに向いていそうだからピアノ、プリモはここにいる人の中で一番声が高いから」

簡潔にして明瞭だったが、完以外は腹筋が崩壊しかけていた。

その間に完は「いただきます」と挨拶して

ごく普通に食事をとり始めていた。

少し離れた席…了がいつも座っている所では、

了の同期3人が兄弟とそれを取り巻く看護士たちを観察していた。

長瀬「…おい、お兄さん以外ダメそうだぞ」

青木「お兄さん、ここからだと背面で見えない」

マカポー「MR.Brother、一体何をしでかした…?」

完の暫定命名により、席順は以下のようになっていた。

------------

ロッソ 完 プリモ

ピアノ 了 鈴

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昼休みの時間は限られている。

とりあえず完以外のメンバーも食事に手をつけ始めたが

ロッソ「オッス!オラロッソ!よろしくな!www」

彼女のひとことでまたしても台無しになってしまった。

ピアノ「オッス!オラピアノ!ww」

プリモ「オッス!オラプリモ!www」

了・鈴「ちょwwwwwwwwwwww」

完「え、何?情技では自己紹介の時はそうするルールなの?」

鈴「おwwwオッス!オラ柏木www」

了「柏木さんwwwそこノらなくていいwwww」

完「おっす、おら中畑完と申します…?」

了「にいwwwwさんwwwwww」

完「だって郷に入っては郷に従えって言うでしょ?途中から間違ったけど」

慣れないことはするものじゃないね、と付け加えて

完はまた普通に食事を続行する。

この場で笑っていないのは中畑完ただひとりだった。

鈴「あ…あの、中畑先生」

完「はい」

了「ん?」

鈴「す、すいません、最終のほうの中畑先生///」

完「そういえば中畑が二人もいて面倒だよね」

了「じゃあ兄さんは鬼畜眼鏡先生ww」

ピアノ「鬼畜眼鏡先生wwww」

完「長すぎるし印象が悪いよ。せめて眼鏡先生にしてよ」

ロッソ・プリモ「メガネ先生!」

完「…すごくぴったりステレオしたんだけど…」

鈴「その二人は普段から息ぴったりなのでw」

完「そういえば柏木さん…柏木さんか…」

鈴「えっ、何ですか?」

完「同期の柏崎と名前が紛らわしいんだよね…」

完以外の全員が箸を止めた。

いつ何時、完が自分達の腹筋を爆破するかわからないからだ。

完「…まあいいや。柏木さん、さっき僕のこと呼んだよね?」

鈴「え?…えっと、…はい」

完「何?」

鈴「あ、あの…好きなんですか?鯖の塩焼き…」

完「そう…だね。今日のメニューの中では一番好きかな」

食卓を囲む面々は、胸を撫で下ろして箸を動かし始めた。

完「それで、どうして柏木さんだけ名札つけてるの?」

鈴「え、えっと、それは…////」

了「柏木さんは、兄さんと友達になりたいんだって」

了がさらりと言ってのけた。

ロッソとプリモが完に見えない範囲で了に笑顔で親指を立てた。

完「友達…?僕と?」

鈴「は、はい…できれば…」

完は不思議そうな顔をして小首をかしげた。

無理もない。

鈴は遠巻きに完を見ていたが、完にとっては全くの初対面だった。

それに職務上、接点もない。

完「…? …僕でよければ」

鈴「え…/////」

完の返答に深い意味はなかった。

もちろん下心もなかった。

完「友達ということは、同期と同列だから…やっぱり柏崎と紛らわしいのは困るなあ…」

こういう論法なのである。

了「おいちょっとww男同期と一緒くたにしてやるなよww」

完「それもそうだね。あいつら揃いも揃って品性下劣で嫌になるよ」

鈴「ひ…ひんせいげれつ…?」

【第1食堂】

柏崎「ぶへっくし!!」

食事の途中で柏崎が盛大にくしゃみをした。

矢野(やの)「おいちょっとお前やめろよ、飛ぶだろ?」

二宮「『全く…品性を疑うよ』」

二宮が、その場にいない完のクチ真似で応じた。

柏崎「二宮アウト。全然似てない」

矢野「柏崎に同意」

二宮「やっぱダメだわ、あの潔癖野郎じゃなきゃ」

柏崎「んでよぉ、最終の看護士で誰が一番ヌける?」

矢野「マウスとラットで3P考えたけどダメだったわwww」

二宮「ヌケるどころか逆に萎えるわそれwwwwww」

柏崎「ねーよwwwwwwww」

完の同期の食卓での話題は、普通に品性下劣だったのである。

(マウス・ラットについては登場人物紹介を参照)

【第3食堂】

了「柏木さんは品性下劣ではないから…多分w」

鈴「なんで『多分』って付け足すんですかww」

ピアノ「多分www」

ロッソ「おそらくwww」

プリモ「願わくばwwww」

完「だんだん確実性が低くなってる気がするんだけど…願わくばって何…」

そこへ情技の室長が通りかかり、にこやかに話しかけてきた。

室長「あれ~?何?この珍しい組み合わせ」

了「あ、室長、お疲れ様です」

看護士「お疲れ様です」

完「お邪魔しています」

室長は席の面々をさらりと見回した。

ただひとり最終から来ている医師と、ただひとり名札をつけている看護士。

室長「ふ~ん…若い人たちは楽しそうでいいねえ」

室長は鈴の肩を軽く叩いて、笑顔のまま去っていった。

了(室長、把握したな…)

完「…………」

完は食事を続行しながら考え事をしている。

鈴も食べながら、思案顔の完(眼鏡装備)をちらちらと見ていた。

鈴(…情技の中畑先生と、本当に似てない…)

完が箸を止めた。

完「柏木さん」

鈴「は、はい?」

完「草餅好き?」

鈴「好きですけど…」

完「じゃあ草餅さんって呼んでもいい?」

また同席している面々が吹き出して食事続行不可能になった。

了「なんで柏木さんだけ横文字じゃないんだよ!?ww」

完「区別だよ。草餅さんは友達。それ以外は…顔見知り?」

了「なんで突然『草餅』が出てくるんだよwwwwww」

完「最初『柏餅』だったんだけど」

了「餅から離れろwwwww」

完「それでも柏崎と紛らわしいし」

了「ならせめて桜餅とかにしてやれよwwなんだよ草餅ってww」

完「桜餅さんのほうがよかった?」

鈴「いっいえそんなかわいらしくなくていいです!草餅で十分です!」

了「わけわかんねえからその謙遜wwwww」

ロッソ、ピアノ、プリモは普段から鈴と4人で食事をとっているが、

鈴だけ『草餅』ではあまりにも差がありすぎた。

完の言う「区別」という点では申しぶん無かったのだが。

ピアノ「草餅たん☆」

ロッソ・プリモ「草餅たん☆」

鈴「『たん』wwwww」

完「ああ、悪いけど他の人は草餅さんって呼ばないでくれる?」

全員「!?」

完「『僕の』同期と紛らわしいからニックネームをつけたのであって」

了「なんだ、そういうことか…」

完「なんだ、って何?」

了「い、いや別に何でもないです」

完「仕事中に『草餅たん』とか、おかしいでしょ?」

プリモ「え、私これからロッソー!ピアノー!って呼ぼうと…w」

ロッソ「私もそう思ってたんですけど…w」

ピアノ「私も…ww」

了「ぶwww」

鈴「wwwwww」

完「そんなんでいいの…?」

了「まあ仕事に支障がなければいいんじゃね?w」

ロッソ「そういうことだから鈴、オッス!オラロッソ!ww」

鈴「だからもうそれやめてよwwww」

食事が最も進んでいたのは完だった。

完は食事を平らげると、「ごちそうさまでした」と挨拶した。

完「…あれ?みんな早く食べたほうがいいんじゃないの?」

了「誰のせいだと思ってんだよwwwwww」

完「?…ひょっとしてみんな鯖の塩焼き嫌いだったの?」

了「そうじゃねえww少なくともオレは好きだしwww」

完「僕は食べるのが遅いほうなんだけど…」

鈴「お…オッス、オラ草餅…」

全員(完除く)「ぶwwwwwwwwwww」

完「わかった、おっすおらなんとかっていうフシがいけないんだね」

了「違うけど…否定できない…www」

長瀬「おいまた爆発炎上してるぞあいつら」

青木「お兄さんどんだけエンターテイナーなの…?」

マカポー「MR.腹筋BREAKER、見☆参…?」

完「了」

了「ん?」

完「呼び出したのは、草餅さんを紹介してくれるためだったの?」

了「えーと…ん?そうだっけ?あれ?」

了は本題を忘れかかっていた。

完は腕時計を見た。

完「…もうこんな時間」

了「あー!思い出した!オレと兄さんでどっちが攻で受かだ!」

完「えっ?何?将棋か何か?」

了「違っ…ああーもう説明してる時間ねえー!!」

完「本題が別にあったなら、そっちを先にしてくれればよかったのに…」

完は困り顔で席を立った。

完「ごめんね、もう戻らないと…」

最終と情技をつなぐ連絡通路はそれなりに長い。

その上、規則では機関内全域『走るべからず』である。

完は空いた食器の載ったトレイを持った。

完「じゃあ、草餅さん」

鈴「は、はい!?」

完「今後とも、よろしくお願いします」

そう言って一礼し、去っていった。

了「…全く本題に触れられなかった件について…」

了は不満げに箸を動かしていた。

ロッソ「とりあえずメガネ先生は天然腹筋爆破装置ww」

ピアノ「同意wwww」

プリモ「あんな天然だとはおもわなかったwwww」

鈴「昔からああいう感じだったんですか?ww」

了「昔かあ………」

了が、食事の最後のひとくちをクチに運ぶ。

了(そういえば、いろいろあったんだよなあ…)

そんなことを思いながら。

昼休み終了のチャイムが鳴れば、皆通常の業務に戻ってゆく。

しかし、その後ナースステーションは、

『メガネ先生にコードネームをつけてもらいたい』という話で

盛り上がっていたのだった。