某医療機関での日常

現代医科学恋愛ファンタジーというわけのわからないジャンルの創作文置き場。 小説というカタチを成していないので読むのにいろいろと不親切。たまにR18。 初めての方は「世界観・登場人物紹介」カテゴリを一読の上でお読みください。

それぞれのハートブレイク 柏崎編

彼女は小柄で華奢で、かわいらしかった。

合コンで柏崎は運命の出会いを感じていた。

柏崎「よかったらメルアド交換しませんか」

__「え?あ、はい…」

彼女からしたら、何の気なしに交換したのだろう。

しかし、それからだった。

柏崎の猛アタックが始まったのだ。

ほどなくして2人は結ばれ、

幸せに暮らしていた。

が。

(Q都 郊外 カフェ)

医大生柏崎は、彼女に呼び出されていた。

彼女「ごめんなさい…」

柏崎「えっ、何が?」

彼女「他に好きな人ができたの…」

柏崎「えっ…」

それまで、幸せにくらしていたはずだった。

今までの生活は嘘だったのか?

柏崎「待って、オレに悪いことがあるなら直すから言って」

彼女「それがその…今更直せないことなの…」

柏崎「?」

彼女「あの…一度彼に会ってみてくれない?」

柏崎「彼は…オレにないモノを持ってるんだね?」

彼女がうなづく。

柏崎「わかった。会ってみるよ」

(後日 Q都某大学 カフェテリア)

彼氏「そ…その…こん…こんにちわ…」

彼氏といえば。

小柄で華奢な彼女と似たり寄ったりな体格で、

柏崎とは大違いだった。

柏崎「………………」

彼女「えっと…ごめんね…?」

柏崎は涙を飲んだ。

ここは引き下がるしかない。

ここで食い下がるほど頭が悪いわけではなかった。

柏崎「ちょっと来てくれ」

柏崎は「彼氏」の腕をつかんで彼女から引き離す。

彼氏(ひい!殴られる!!)

彼女「待って宗一くん!」

柏崎「彼と秘密の話があるんだ、悪いけどそこで待ってて」

彼女「でも…」

柏崎「大丈夫。乱暴したりしないから」

柏崎はある程度彼女から距離を置くと、彼に耳打ちした。

柏崎「あいつ耳が弱いから、ムネより耳攻めたほうがいいぞ」

彼氏「えっ…」

柏崎「何のことかわかってるよな?」

彼氏「………はい…」

柏崎「よし。本当に耳ばっかり攻めてると

   スットンキョウな声だすから笑えるぞ」

彼氏「あの、どうしてそんなこと教えてくれるんですか?」

柏崎「あのムネ見てると攻めたくなるだろ?」

彼氏「あ…いや…その、はい…」

柏崎「そこをぐっとこらえてだな」

柏崎は熱弁していた。

彼女「秘密の話って何?」

柏崎・彼氏「うわああ!!」

彼女がしびれを切らしてやってきた。

彼氏「な、なんでも、なんでもないんだなんでも…」

柏崎「男にしかわからない話だよ」

柏崎は笑顔で答えた。

彼女「本当にごめんね、あんなに良くしてくれてたのに」

柏崎「いいって」

柏崎は彼女の頭を軽くなでた。

柏崎「じゃあ、こいつのことよろしくな」

彼氏「は、はい…」

柏崎「返事が弱い!」

彼氏「はい!」

こうして、柏崎の恋は終わりを告げた。

彼女「ね、すごくいい人でしょ」

彼氏「うん…すごく」

彼女「ところでさっき何話してたの?」

彼氏「それは柏崎さんと僕の秘密」

彼女「なによ~」

彼氏「お、男にしかわからない話だよ」

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(国際医療福祉機関 礼英 ロッカー室)

完「だから、なんで僕に抱きつくの?」

柏崎「そうだなあ…オレ、お前の体格がうらやましいんだよ」

完「は?どうして?柏崎のほうが背は高いわ肩幅は広いわ

  いいことづくめじゃない」

柏崎「デカけりゃいいってもんでもないのよ」

これは、柏崎がドイツ出張に行く前の話である。

柏崎「デカいのが理由でフられたんだから」

完「ふーん…女の人の好みってわからないね」

もし、自分が完くらいの体格だったらフられずに済んだだろう。

そう思うと、ついつい抱きしめてしまうのだ。

自分と完との差を確認するかのように。

完「暑いよ~…」

柏崎「あっ、悪ぃ」

完は完で、感傷に浸っている柏崎を責められず、

なすがままになっていたのだった。

しかし、暑いのは苦手だった。

柏崎の恋は、またこれから始まるのである。